クリエイティブ・コモンズのsome rights reserved.

はてなブックマークでコメントしたら、エントリーでコメントをいただいた。
http://d.hatena.ne.jp/iwaim/20060628/1151483432


ご返事しようと思いつつ、遅くなりました。
私がブックマークコメントにおいて、留保(reserved)しないことを、自由に使えることだと言い換えているので、この点に関して違和感を感じられていると理解しました。
私は、権利を行使しないことと、この権利不行使に制約(条件)があることとは、分けて考えていいと思います。
クリエイティブ・コモンズのライセンスは、自由に使える共有著作物を広めようという理念があります。そのために、著作物の複製、二次的著作物の複製、頒布、公衆送信等をすることができるというように、著作権の利用権が、個別のライセンスのいずれを選択した場合であっても付与されています。
つまり、他人が著作物の複製、二次的著作物の複製、頒布、公衆送信等をすることについては、著作権を行使しない(権利を留保していない)と理解しています。


ただし、複製、二次的著作物の複製、頒布、公衆送信等するのには条件があります。
例えば「帰属 - 非営利」というようにです。
この制約(条件)があることを、権利の留保と考えるのか。
留保と考えるならば、iwaimさんの感覚のように違和感を生じると思います。
でも、私は、複製などに権利を留保しないことと、留保しない権利に条件があることとは、別の段階の話だと考えています。条件があることは、権利を留保することとは別のことだと思っています。
そのため、私の頭の中では、違和感あるいは矛盾を感じてはいません。


また、クリエイティブ・コモンズのライセンスの下で著作物が公開された場合、利用権を付与する条件が、利用者の利用前に公表されています。
この条件を見て、利用者は、著作物を利用するか、しないかを判断し、決定することができます。
この条件を受諾すると決めて利用する限り、権利は留保されてないと、いえるのではないでしょうか。。
その一方で、例えば、「帰属 - 非営利」の場合に、利用者が営利で利用することは、ライセンス違反となって、権利の行使を受けることになります。でも、それは、利用者のほうに問題があり、権利者は、(条件に従う限り)自由に使っていいよと、最初から決めていたのだから、利用者の利用状況に応じてライセンスの条件を決めると言うのとは、違っていると思います。


ここから話は変わって、クリエイティブ・コモンズにおいて、条件付きで複製等を自由にできることと、GPLGFDLにおいて、条件付で複製等ができることとは、条件付きの利用許諾という点では、実質的に同じようなものだと思えます。
したがって、クリエイティブ・コモンズが「some rights reserved」というのは、既に書かれているように、「copyleft」と同様の、ある種のキャッチコピーなのかも知れません。


また、「all rights reserved」というのは、「権利を自由に利用してもよいとは言っていない」、換言すれば、権利を利用するには、全て許諾が必要ということですから、クリエイティブ・コモンズのライセンスで公表されている著作物に、「all rights reserved」と書かれているのは、私には違和感があります。