知財業界でホットなもの

7月1日は弁理士の日です。
ドクガクさんが弁理士の日を盛り上げるために、お題を提供されました。
http://benrishikoza.blog24.fc2.com/blog-entry-2555.html


今年の共通テーマは「知財業界でホットなもの」。
・・・ホットなものねえ。そんなもん、有斐閣平成27年重要判例解説からネタを挙げれば一発じゃん、と思った。

だけれども、他の方のエントリーを見れば、つい最近のお話ばかり、、。
うーむ。
でもね、一応、はてなダイアラーを自任していても、年に一度しか更新していない私にとっては、一年以内の話題はホットなんですよ!!!
だから、自分の考えるホットな話題で行きます。

プロダクト・バイ・プロセス・クレーム(最高裁

最高裁判決により実務上で影響がありました。
要するにプロダクト・バイ・プロセス・クレームは原則として明確性要件違反(特許法第36条第6項第2号)の拒絶理由だということです。
・平成24年(受)第1204号 特許権侵害差止請求事件 平成27年6月5日 第二小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/145/085145_hanrei.pdf
・平成24年(受)第2658号 特許権侵害差止請求事件 平成27年6月5日 第二小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/144/085144_hanrei.pdf
よくよく調べると、昨年の6月の判決なので、一年以上前の判例なのですね。
が、しかし、判決の結果を受けて、特許庁「プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関する当面の審査・審判の取扱い等について」の判断を示したのが昨年の7月6日だから、私の中では一年以内でセーフです。
うちの事務所は、化学系も結構やっています。
進歩性の拒絶理由通知を解消するために特許請求の範囲の補正をして、これで特許査定だと思っていたら、判決後に、その後の審査でプロダクト・バイ・プロセス・クレームについて明確性要件違反だと、あらためて拒絶理由が通知されるんですもん。
そりゃあ実務に影響が出ますよ。
手続補正書や意見書の書き方を検討したり、出願時のクレームの立て方、今後の出願で明細書に盛り込む記載について検討したりしました。

均等論(マキサカルシトール事件)(知財高裁)

・平成27年(ネ)第10014号 特許権侵害行為差止請求控訴事件 平成28年3月25日判決言渡
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/769/085769_hanrei.pdf
実はこの裁判例を私は知らんかったんですけど、PA会の研修に出席して、均等論といってもボールスプライン軸受事件だけでなく、検討が進められていることを認識し、ちゃんと勉強しなければと心を新たにしました。

フランク三浦事件(知財高裁)

平成27年(行ケ)第10219号 審決取消請求事件 平成28年4月12日判決言渡
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/835/085835_hanrei.pdf
これは相当ホットな話題だと思うのですけれど、4月の話題だから皆さん外しちゃいましたかね。
「フランク ミューラー」という高級腕時計のブランドの商標権者が、そのパロディ腕時計を、「フランク三浦」という登録商標で販売している商標権者に対して、「フランク三浦」の登録商標の無効審判を請求し、無効審決が出たために提起された審決取消訴訟です。
知財高裁は、審決取消に理由がある、言い換えれば「フランク三浦」には無効理由がないという判決でした。
著名商標の商標権者が、パロディ商品の称呼類似の商標登録を排除できない場合があるとも解釈でき、商標担当の弁理士には相当ホットな話題だったのではないでしょうか。
本件は上告されましたので、推移を見守りたいと思います。
私自身は、吉本興業の「面白い恋人」を批判的に見ていましたので、フランク三浦もどうだかなーと思っていました。

(マイブーム)

ついでにマイブームを書こうとしたけれど、眠くなったので今日はこの辺で。
お休みなさい。
最後にドクガクさん、誘っていただいたのに本エントリーが遅くて済みません。