リモートワークのシンクライアントで親指シフト入力する(お題:コロナ禍収束後の知財業界)

※リモートワークやテレワーク時のシンクライアント親指シフト入力をする方法は、この投稿の中盤以降に記載しています。

 

本日7月1日は弁理士の日です。 弁理士の日を盛り上げるために、「弁理士の日記念ブログ企画2020」と銘打って、共通テーマで記事を書くというイベントが例年どおり「独学の弁理士講座」のブログで企画されましたので参加します。

benrishikoza.com


このブログもドクガクさんの企画に合わせて年に一回の更新になっておりますが、まあ生存表明ですね。こんな機会でもなければ更新しなくなっておりますので、お誘いがあったことに感謝致します。
さて、今年のテーマは、タイトルにあります「コロナ禍収束後の知財業界」。 私は事務所勤務の自分の立場から、能力給の給与体系への移行の予測と、リモートワーク比率の増加について書きます。

能力給の給与体系への移行

知財業界を展望すると、コロナ禍が収束したとしても、世界的に経済活動が一時的に低下した影響を受けて、受任件数が低下するのは間違いがないところです。 知財業界は、製造業の景気に左右される業界ですからね。

受任件数が低下すると売上げが下がる。

→売上げが下がると事務所の経営が悪化する。

→事務所の経営が悪化すると給与が下がるか、給与のうち能力給の割合が高くなる。

となって、今後はコロナ禍をきっかけに、能力給の給与体系に次第になっていくだろうと予測しています。事務所の利益が減る時に、仕事ができる人に多めに配分するのは合理的だからです。

すでに能力給の事務所も多いでしょうけれど、比率が高まるだろうという予測です。


過去に景気が悪かったのは2008年のリーマンショックの時でした。その時に給与の一時的な抑制の経験をしています。
個人的には現時点で明細書作成の依頼が来ておりますので、ありがたいことだと思うとともに、常日頃の信頼関係が大事と再認識しています。 明細書の質、量はもちろん大事ですし、そればかりでなく、相手(クライアント担当者)とのコミニュケーションを大事にすることが、信頼関係に繋がると思っています。

リモートワーク比率の増加

はじめに注釈ですが、世間ではリモートワークやテレワークと言われており、両者には定義上の相違があるのかもしれませんが、ここでは広く在宅で業務を行うことをリモートワークと書きます。

私が勤務している事務所でもコロナ禍よりも前から、リモートワークについて検討されていましたが、実際にリモートワークが実施されたのはコロナ感染予防のために出勤者の比率を下げることが強く要請されてからでした。

私は明細書を書いてなんぼの、旧来と同じ仕事をしていますので、事務所だろうが在宅だろうが明細書を書ければ場所はどちらでも構わないという立場です。ただ今後は、事務所での仕事、在宅での仕事の、それぞれのメリット、デメリットを理解しつつ、コロナ対策でリモートワーク比率はある程度まで増加していくだろうと予測しています。


ZoomもSkypeもWebEXも使うようになりました。

比較的に大企業のお客様は、音声のみで会議するのを好まれる方がいらっしゃいますが、私は相手を見ながら会議するのが好きです。 明細書作成のための長距離会議では、視覚情報も重要と思っているからです。サンプルをカメラ越しに見る場合は勿論のこと、相手の表情を含めた会話が会議の記憶に役立つと思っているからです。

それと、ビデオ会議で気づいたのですが、私はビデオ会議中に、かなりゼスチャーをしています。うなずいたり、首を傾げたり、手を広げたり振ったりしています。相手がどう思っているかは分かりませんが、ゼスチャーもコミュニケーションの一つと思っているので、相手を見ながら会議するのが好きです。


リモートワーク時代の親指シフト入力

ここからは弁理士とは直接関係がありませんので、親指シフトに興味がない方は以後を読まなくても結構です。

リモートワークでシンクライアント(端末)が事務所から貸与され、自宅からシンクライアントを用いてVPN越しに事務所の自分用のパソコンにログインして、リモートデスクトップによりシンクライアントで事務所の自分用のパソコンを操作して業務を遂行するようになりました。

ここで親指シフトユーザーで問題になるのは、シンクライアントを使ってリモートで事務所の自分用のパソコンで親指シフト入力できるか」ということです。

Windows10での親指シフト入力は、富士通のJapanist10の快速親指シフトや、フリーソフトのやまぶきRやDvorakJ等の、ソフトウェアエミュレータを使っていました。 しかしながら、事務所から貸与されたシンクライアントは、ソフトウェアエミュレータをインストールするのが禁止されるのが原則でしょう。許可を得ずに黙ってインストールしてバレた場合は自分の評価が下がることもあり得ます。

つまり、リモートワークでは、シンクライアントにソフトウェアエミュレータをインストールしないで、リモート先のパソコンで親指シフト入力できることが求められているのです。

その解決手段は二つあり、これからご説明します。(何か書きっぷりが明細書っぽくなってきた……。)

一つはFMV-KB211キーボードを使う方法、もう一つは「かえうち」を使う方法です。

FMV-KB211を使う方法

FMV-KB211は、Windows95の頃に販売された富士通のパソコン用の親指シフトキーボードです。ワープロ専用機のOASYSキーボードよりもWindows準拠のキーボードです。

FMV-KB211の特徴は、現在も新品が販売されているUSB親指シフトキーボードのFMV-KB232のようにJapanist10の快速親指シフトでソフトウェア的に親指シフトを実現しているのではなく、FMV-KB211それ自体が、ハードウェア的に親指シフトの配列の信号をパソコンに送り出す点です。

したがって、ドライバーもソフトウェアエミュレータも不要で親指シフト入力が可能です(かな-英字のモードずれは生じます。)。そのためFMV-KB211をシンクライアントに接続できれば、シンクライアント親指シフト入力が可能です。

問題はFMV-KB211の販売が終了しており、現在は中古でしか入手できず、ヤフオクやメルカリや中古ショップを探すしかないことです。

また、FMV-KB211はPS/2キーボードですので、シンクライアントに接続するためには、USB-PS/2変換ケーブルが必要になることも問題になります。

このUSB-PS/2変換ケーブルが曲者で、製品によって親指シフト入力をそのまま通すケーブルもあり、通さないケーブルもあるのです。 親指シフト入力に実績があるのは、ルートアールのUSB to PS/2 変換ケーブルRC-U2MKです。

私はこのFMV-KB211とRC-U2MKの組み合わせでシンクライアント親指シフト入力をしています。モードずれなんて、親指シフト入力できるメリットに比べたら些事です。

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 画像は、自宅の仕事部屋です。仕事机の上に、シンクライアント用のFMV-KB211と、自宅パソコン用の親指シフトキーボードRboard Pro for PCとを、手前側と奥側とに並べて配列しています。

手前側がシンクライアント用のFMV-KB211です。シンクライアントは画像左側の見えない位置に置いてあります。モニタは画像に見えている23インチのフルHDモニタ一台です。シンクライアントとはモニタとHDMIで接続され、自宅パソコンとはDVIで接続され、モニタ付属のリモコンでシンクライアントからの映像信号入力と自宅パソコンからの映像信号入力を切り替えています。マルチモニタは机のスペースからみて厳しいです。

かえうちを使う方法

「かえうち」は、パソコンとUSBキーボードとの間に介在させて使用する、キーボード配列を変換するアダプターです。
かえうちは、クラウドファンディングにより製品化され、今は小型化された、かえうち2が販売されています。

kaeuchi.jp

Windowsだけでなくアップルの製品やスマートフォンでも配列を変換して入力可能です。親指シフトだけでなく種々の入力法にカスタマイズ可能です。
かえうちは、要するに、やまぶきRのようなソフトウェアエミュレータをハードウェアで実現したものです。だからドライバーやソフトウェアエミュレータが不要で、USBキーボードを、かえうちを介してシンクライアントに接続することで、シンクライアント親指シフト入力が可能です。

実は私は、かえうちを購入しています。将来のキーボードの故障の保険としてかえうちを持っています。

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かえうち以外にも、OyaConvなどハードウェア変換USBアダプタはあるのですが、私が購入しておらず、使用感を書けないのでリンクを紹介するに留めます。

oyaconv.jp

それでは、末永く親指シフト入力を楽しみましょう。

知財業界での初体験

本日7月1日は弁理士の日です。
弁理士の日を盛り上げるために、「弁理士の日記念ブログ企画2019」と銘打って、共通テーマで記事を書くというイベントが例年どおり「独学の弁理士講座」のブログで企画されましたので、遅ればせながら参加します。
https://benrishikoza.com/blog/benrishinohi2019/

 

今年のお題は「知財業界での初体験」。
私は明細書を書くことについての思い出を書きましょう。
初めにお断りですけど、おじさんが、昔話をするのは嫌がられると知っています。
けれど、私が知財業界に入ったのは、随分と昔のことですので、初体験はあまり覚えていないし、初体験を書くことは昔話をすることとほぼ同じことになってしまいますのでご容赦を。

 

私は、実務経験ゼロ、法律知識ほとんどゼロ、技術知識は大卒レベルで特許事務所に入りました。明細書作成技術については、一人の指導者に教わりました。
その指導者はグループのボスで、所内で売上げが一番でした(以下、私の指導者を「ボス」と言います。)。
周囲の人から、「ボスは、めちゃくちゃ厳しい。」とか「仕事で怒ると怖い。」と言われ、先に指導を受けた先輩からも「夢の中でボスから怒鳴られて、はっと目を覚ますことが度々あった。」と、お酒を飲みながら聞きました。
実際には、親子ほどの年齢の差があった私には、ボスは優しく指導してくれました。

 

それでも、仕事に厳しいことは垣間見られ、例えば私に対する指導要領として、新件の特許請求の範囲ができあがったら、その時点で一度チェックを受け、そのチェックをクリアしたら、発明の詳細な説明を作成して再度チェックを受けるという流れだったのですが、

明細書
1.発明の名称 A装置
2..特許請求の範囲
 1. Bの周囲にCを設け、該Bと該CとがDの関係にあることを特徴とするA装置。
 2. 前記Bが、Eである特許請求の範囲第1項記載のA装置。

などと書いて、ボスに見せに行ったら、発明の名称がダメだという理由で特許請求の範囲を見ずに突き返されたことがあったりしました。
理由は、特許法施行規則の様式中に、「発明の名称は、発明の内容を簡明に表示するものでなければならない。」とあるところ、私が書いた発明の名称は、簡明ではないからでした。発明の名称でダメ出しされて突き返された人は、所内でも私より前はいなかったんじゃないかと思います。

 

思い出すに、ボスの指導は、「基本を大事にすること」がベースでした。
習いたての頃のある日、唐突に「特許法で一番大事な条文は何条だ?」と問われ「29条です。」と答えたら、「1条だよ。法目的だろ。明細書を書く時も法目的を忘れてはいかん。」と言われました。

また、かな書きは、公用文のルールに忠実であることを求められました。例えば公用文では接続詞は原則ひらがな書きで、例外的に「及び」、「並びに」、「又は」、「若しくは」の四語は原則漢字書きですので、「接続詞はひらがな書きのほうが読みやすい」のような感覚的な理由で「および」、「または」と書くのは厳しく諫められました。

同様に、公用文における漢字使用は、常用漢字表によるものとされているが故に、明細書で常用漢字以外の漢字を書くことは原則禁止されました。例えば「浸漬」と書くのがダメで、「浸せき」と書くよう指導されました。まあ、発明者の確認により「浸漬」に戻すように修正されることも結構ありましたけれど。その場合は発明者に従うのがボスの方針でした。

 

とにかく、何らかの公式なベースや基準があって、それに従って書くよう指導を受けました。
ボスの指導は、血肉になって今でも私の明細書作成のベースになっています。時代に合った書き方というのはありますので、今風にはなっていますけれど。
残念ながら不肖の弟子で、まだまだボスの域には至らないなと、思っています。

知財業界でホットなもの

7月1日は弁理士の日です。
ドクガクさんが弁理士の日を盛り上げるために、お題を提供されました。
http://benrishikoza.blog24.fc2.com/blog-entry-2555.html


今年の共通テーマは「知財業界でホットなもの」。
・・・ホットなものねえ。そんなもん、有斐閣平成27年重要判例解説からネタを挙げれば一発じゃん、と思った。

だけれども、他の方のエントリーを見れば、つい最近のお話ばかり、、。
うーむ。
でもね、一応、はてなダイアラーを自任していても、年に一度しか更新していない私にとっては、一年以内の話題はホットなんですよ!!!
だから、自分の考えるホットな話題で行きます。

プロダクト・バイ・プロセス・クレーム(最高裁

最高裁判決により実務上で影響がありました。
要するにプロダクト・バイ・プロセス・クレームは原則として明確性要件違反(特許法第36条第6項第2号)の拒絶理由だということです。
・平成24年(受)第1204号 特許権侵害差止請求事件 平成27年6月5日 第二小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/145/085145_hanrei.pdf
・平成24年(受)第2658号 特許権侵害差止請求事件 平成27年6月5日 第二小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/144/085144_hanrei.pdf
よくよく調べると、昨年の6月の判決なので、一年以上前の判例なのですね。
が、しかし、判決の結果を受けて、特許庁「プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関する当面の審査・審判の取扱い等について」の判断を示したのが昨年の7月6日だから、私の中では一年以内でセーフです。
うちの事務所は、化学系も結構やっています。
進歩性の拒絶理由通知を解消するために特許請求の範囲の補正をして、これで特許査定だと思っていたら、判決後に、その後の審査でプロダクト・バイ・プロセス・クレームについて明確性要件違反だと、あらためて拒絶理由が通知されるんですもん。
そりゃあ実務に影響が出ますよ。
手続補正書や意見書の書き方を検討したり、出願時のクレームの立て方、今後の出願で明細書に盛り込む記載について検討したりしました。

均等論(マキサカルシトール事件)(知財高裁)

・平成27年(ネ)第10014号 特許権侵害行為差止請求控訴事件 平成28年3月25日判決言渡
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/769/085769_hanrei.pdf
実はこの裁判例を私は知らんかったんですけど、PA会の研修に出席して、均等論といってもボールスプライン軸受事件だけでなく、検討が進められていることを認識し、ちゃんと勉強しなければと心を新たにしました。

フランク三浦事件(知財高裁)

平成27年(行ケ)第10219号 審決取消請求事件 平成28年4月12日判決言渡
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/835/085835_hanrei.pdf
これは相当ホットな話題だと思うのですけれど、4月の話題だから皆さん外しちゃいましたかね。
「フランク ミューラー」という高級腕時計のブランドの商標権者が、そのパロディ腕時計を、「フランク三浦」という登録商標で販売している商標権者に対して、「フランク三浦」の登録商標の無効審判を請求し、無効審決が出たために提起された審決取消訴訟です。
知財高裁は、審決取消に理由がある、言い換えれば「フランク三浦」には無効理由がないという判決でした。
著名商標の商標権者が、パロディ商品の称呼類似の商標登録を排除できない場合があるとも解釈でき、商標担当の弁理士には相当ホットな話題だったのではないでしょうか。
本件は上告されましたので、推移を見守りたいと思います。
私自身は、吉本興業の「面白い恋人」を批判的に見ていましたので、フランク三浦もどうだかなーと思っていました。

(マイブーム)

ついでにマイブームを書こうとしたけれど、眠くなったので今日はこの辺で。
お休みなさい。
最後にドクガクさん、誘っていただいたのに本エントリーが遅くて済みません。

知財業界のトリビア

本日7月1日は弁理士の日だそうです。
ドクガクさんが弁理士の日を盛り上げるために、お題を提供されました。
http://benrishikoza.blog24.fc2.com/blog-entry-2439.html

今年の共通テーマは「知財業界のトリビア」。
トリビアといっても、一般人が読んで「へぇ」と思うネタがいいのか、知財業界の人が読んで「へぇ」と思うネタがいいのか。
また、知財業界にいる期間がある程度長い私は、「昔はこうだったんだよ。」というような、懐古ネタを思い付いちゃいます。そんな懐古ネタでいいんだろうか。
そんなことを考えると、はてなダイアリーを二年ぶりに更新するというのに、筆がますます進みません。
なので、勢いで書いちゃいましょう。
他の方とのネタかぶり上等!で行きます。また、ネタが滑っても気にしない!
なお、本来なら根拠を一緒に示すのがよいのでしょうけれど、今回は省略します。
以下のトリビアネタは他人からの伝聞ネタを含みますが噂程度のものではなく、私が本当だと思っているものを書きます。もっとも、昔のこと等については記憶に頼っているため必ずしも正確でない場合はあり得ます。この場合はツッコミをいただければ幸いです。

実務編

商標法第8条第5号のくじは、ガラポンである。

と、書いてネット検索したら同じ内容についてntakeiさんのブログエントリーが見つかった。
うう、最初のネタからネタかぶりしてますが気にしない。

マーカッシュは人の名前である。

特許審査基準で注釈なしに記載されている「マーカッシュ形式」のマーカッシュは人の名前だそうです。マーカッシュさんが外国の裁判所でクレームの記載形式で争ってその形式が認められたためにマーカッシュ形式と言われるようになったとのこと。
鈴鹿サーキットでデグナーさんが転んだからデグナーカーブと言われるようになったようなものですかね(←分かりにくい例え話。)。

受験編

代々木塾は今は代々木にはない

私は代々木塾出身なので実に寂しいことなのですが、今の代々木塾は代々木駅が最寄り駅ではないのですよね。役務の提供者の名前と役務の提供の場所とが不一致になりました。
代々木の頃の代々木塾に関し、ビルに移転する前の二階建てアパートの頃を知っている人は、あまりいないのかも。

弁理士

日本弁理士クラブと弁理士クラブは別の団体である

「日本弁理士クラブ」は複数の会派の集合体であり、「弁理士クラブ」は会派の一つです。それぞれウェブサイトがありますので見れば違いが分かるでしょう。
日本弁理士クラブの略称は「にちべん」、弁理士クラブの略称は「べんく」です。

PA会のPAはパテントアトーニーが語源である

それそも会派とは何ぞやという疑問を持つ人はいるでしょうけれど、弁理士の有志の親睦団体という理解でいいと思います。母体が出身大学である会派で、その大学が出身でないと入れない会派もありますが、多くの会派は入会資格はオープンです。

弁理士の弁と弁護士の弁は、元々は漢字が違う

旧漢字では弁理士は「辨理士」、弁護士は「辯護士」と書きます。

弁理士制度百年の記念切手がある

その時はまだ私は合格していませんでした。所内の弁理士が買っていたのを羨ましく思いました。

弁理士のバッジは五三の桐紋だ

桐紋は日本政府の組織の紋章に使われているので個人的に好きです。
弁理士バッジを付けている人をあまり見かけませんね。比較的大きいしビロードの地布が付いているので気おくれするのでしょうか。

弁護士は弁理士試験を受けなくても弁理士になれる

これは一般の人向けのトリビアでしょうか。

弁理士行政書士試験を受けなくても行政書士になれる

これも一般の人向けのトリビアでしょうか。
行政書士になれるのと行政書士の実務ができるのとは別の話です。
なお、行政書士試験に合格していれば弁理士試験の論文式試験の選択科目が免除になります。

特許庁の審査官は7年の実務経験で弁理士になれる

審査官は公務員試験に合格するか、任期付き審査官に応募して合格すればなれます。

懐古編

媒体特許というのがあった

昔はコンピュータプログラム自体が特許法で保護されていなくて、方法の発明及び/又はプログラムを記録した媒体の発明を保護する運用が行われていました。

特許の無効の審判、延長登録無効の審判以外の無効審判があった

「外国語国際特許出願固有の理由に基づく特許の無効審判」というのがあった(旧184条の15)。まあ、特許無効審判の一種といえば、そうなんですけれど。現在の184条の18の規定に相当します。

特許出願の用紙がB5版、一頁に一行当たり22文字で20行だった

うちの事務所は所員が日本語ワープロで明細書を書いていました。ワープロを使えない人は手書きでした。この場合、和文タイプの人がワープロに入力していたのです。

「意見書に代わる手続補正書」や「手交」があった

特許法第36条違反の拒絶理由通知の場合には、意見書を提出しないで、補正書のみを「意見書に代わる手続補正書」として提出できる慣行がありました。手交は審査官面接等で拒絶理由通知書と手続補正書とをそれぞれ相手に手渡しする慣行でした。

中央郵便局まで出願書類を持って行っていた

電子出願以前は、うちの事務所は特許庁に出願書類等を持参して窓口に提出していました。特許庁は17時閉庁なので17時までに提出できなかった書類であって、本日中に手続きしなければならない書類は、特許法第19条に規定する郵便物の受領書をもらうために、深夜も開いている東京駅近くの中央郵便局に持って行ってました。

実用新案公報は部分公開だった

公報は実用新案登録請求の範囲及び図面が掲載され、考案の詳細な説明は掲載されていなかったので、読みたい場合は閲覧請求をしていた。

パトリスは従量課金だった

IPDLどころかインターネットが一般的でなかった頃です。今はJ-PlatPatで無料で調べられますもの。便利な時代になりました。

弁理士試験の多枝選択式試験にゼロ解があった

五択問題なのに、五つの枝のいずれも正答でない問題があったのです。

論文式試験が平日にあった

有給休暇を取れない人は弁理士試験を受けるのが大変だったろうと思います。

弁理士試験の受験資格に大学卒業があった

大学を卒業してない人は予備試験を受ける必要がありました。私は大学の卒業証明書の代わりに卒業証書を特許庁の受験窓口に持参していました。

論文式試験の会場にはエアコンが入ってなかった

関西の試験会場はエアコンがないために公平を確保するためという理由だったそうです。私はその頃は論文式試験にチャレンジできていませんでしたので伝聞です。初夏の暑い中の試験は大変だったそうです。

特許事務所の標準料金表があった

今みたいにお客様との取り決めではなくて、弁理士会が規定する標準料金表があったのです。

最後に

菅 直人 元内閣総理大臣弁理士である

やっばり一般人にとってのトリビアは、これでしょう。

ワーク・ライフ・バランスの取り方

7月1日は弁理士の日だそうですが、この弁理士の日記念でブログテーマを、弁理士弁理士試験のブログさんが提案されました。
http://benrishikoza.blog24.fc2.com/blog-entry-2084.html
それで、私も書いてみましょうか。


とはいえ、「ワーク・ライフ・バランスをどう取っているのか?」と聞かれたら、「取れてません。」と私は答えるでしょうね。それだけ仕事に時間を食われています。
残業をしている日が多いので、たまに定時で帰ろうとすると「今日は何かのイベント?」と所員に聞かれてしまいます。


特許事務所で働く弁理士で考えると、仕事にどれだけ時間を取るかというのは、その人の性格によるのではないでしょうか。
調査対象は私だけなのですけれど、一つ目の特許事務所でも、二つ目の特許事務所でも、三つ目の特許事務所でも、私は残業が多い人でした。
ただし、仕事の時間がかかることが、売上がいいとか、いい仕事をしているとは限らないことは分かっています。
また、残業が多いことが、よいこととは思えません。今回のブログテーマどおり、ワーク・ライフ・バランスが大事とは思います。


特許事務所のメンバーを考えると、メンバーのなかで、勤務弁理士はワーク・ライフ・バランスが相対的に取りやすいのではないでしょうか。

  • 弁理士資格を有しない職員は、弁理士試験の受験勉強に時間が取られるし、弁理士の資格を有しないので仕事で評価されるしかなく、仕事を頑張らざるを得ない。
  • 独立をした弁理士は、仕事を取ってくる営業の時間が必要があり、事務所を回していくには仕事量を増やすしかなく、仕事を頑張らざるを得ない。
  • 経営をする弁理士は、職員を養っていけるだけの仕事量を確保する必要があり、仕事を頑張らざるを得ない。

これに対して勤務弁理士は、受験勉強の時間は不要だし、自ら営業をする必要はなく、経営に頭を悩ますこともない。仕事を頑張らなくてもよいことにはならないはないけれど、できない分は「できません」と言える。所長に怒られない範囲ならね。仕事の分配は、所長の役割だと考えることができる。
左うちわで経営されて、仕事は所員に任せている弁理士という方が、もしもいらっしゃったら、ワーク・ライフ・バランスはライフ側に充実されてるかも知れませんが、そんな方がいらっしゃるか。


特許明細書の作成についても質と量とのバランスといわれてます。皆が皆、質と量とをどうバランスさせるかを悩んで、自分なりに割り切ってやっています。
ワーク・ライフ・バランスも同じなのでしょう。仕事とそれ以外とを、どのように割り振るかは自分で考えて、自分で割り切るしかないのだと思います。
そんな抽象的な話題でエントリーを締めるのも何なので、少し具体的なことを考えると、無駄な時間は減らし、仕事の計画を細かく立て、細かく時間振りして片づけていくことかなと思います。
ネット中毒の私が言うのもなんですけれど、ネットを見ている時間なんて、無駄なことが多いです。仕事中は業務専念義務を考慮して必要以外はやりませんけれど、家でネットを見てると、つい夜更かししてしまうことがありますので。
体調を整えて、勤務時間は集中して、できないものはできないと言って、他人にやらせることは他人にやらせて、仕事をするのがワーク・ライフ・バランスの良化のきっかけになったらなあと、自分を戒めて終わりにします。

日記10周年

この日記を始めたのが2003年の6月だから、もう10年になりました。
はてなは、はてなダイアリーよりも、はてなブログを推しているけれど、私は今でもはてなダイアラーと思っています。
毎日は書けなくても、せめて一月に一エントリーは、毎月がだめなら、せめて一年に一エントリーは、と思ってて、まさに一年に数少ないエントリーになっています。


10年前はというと、仕事が忙しいのを理由に受験勉強のために事務所を辞めて、勉強に専念している頃でした。
でもネット中毒から逃れられなくて、その実は勉強に専念できずにネットばっかり見てました。
それでも前年に短答試験に受かったので、その年に論文試験を突破して、最終的に試験に合格するつもりでした。
その論文試験の直前の6月に、はてなダイアリーを始めるんだから、何やってるんだか。
鬼が笑っちゃうんだけど、この日記でその年に合格体験記などを書こうと思ってたんですよね。
実際はというと、論文試験に落ちて10月には転職で新しい事務所に入り、これまた忙しい日々が続くようになりました。


10年でいろいろあったけど、弁理士になったし、ぼちぼちと日記を書き続けていこうと思います。
これからもよろしくお願いします。

おやすみ、しなもん

はてなの社長夫人、近藤令子さんの飼い犬、というか、はてなのマスコット犬のしなもんが先週に亡くなった。
http://cinnamon.hatenablog.com/entry/2013/06/22/195805

初七日を過ぎてのエントリーになっちゃったけど、私も一人のはてなユーザーなので書きたくなった。


ネット上でしか見たことないけれど、はてなのサービスを活用している私はしなもんが好きだった。
犬も猫も飼ったことがことがない私は、しなもんの愛くるしい姿にずいぶんと癒された。
はてなのサーバーが落ちているときには、「しょーがねーなー。まっ、しなもんに免じて許してやるか(←偉そうに)」と思っていた。


しなもんのポストカードと栞は、今も持ってるよ。

ポストカードと栞は、はてなから購入した「はてなの本」の特典でした。
この本の中表紙が、しなもんなんですよね。足形もついてるの。

はてなに親しみを感じて、それから今もはてなを使ってます。


戌年の年賀状に、しなもんを使いたくって、でも無断使用はマズイということで、はてなに使用許可願のメールを出しました。
そうしたら、令子さんさんからメールをいただいて、許可される旨と、しなもんが使われた年賀状を見たいとの返事をいただきました。
ええ、はてなにも、しなもん年賀状をよろこんで送りましたとも。


IT業界はドッグイヤーと呼ばれ、そのIT会社で、しなもんは、まさに駆け抜けていきました。
おやすみ、しなもん