知財業界と専門分野

本日7月1日は弁理士の日です。
弁理士の日を盛り上げるために、「弁理士の日記念ブログ企画2026」と銘打って、共通テーマで記事を書くというイベントが、例年どおりドクガクさんの「独学の弁理士講座」のブログで企画されています。

benrishikoza.com

そこで、私もこの企画に参加します。

今年のお題は「知財業界と専門分野」です。

それでは行きましょう。

 

知財業界における専門分野とは、一言で言うと「自分の価値を提供できるところ」。

こんな感じでいいんじゃないですか。

専門分野があるから顧客に価値を提供できるというよりは、顧客に自分の価値を提供できるもの、提供できるところを専門分野だとすればいいのではないかと思っています。

今年のお題を一言で言っちゃったから、これ以後の話は蛇足です。

 

今年のお題は、私にとっては話の焦点をうまく纏めきれないお題でした。

ブログネタとして「専門分野」の語それ自体をうまく掴めない。それは仕事環境が変わったという個人的な理由もあるし、仕事環境が変わったことによる時間的な制約もあるし、安易に文系理系などの話を展開したら見えている地雷に触れるようなものだし。お題からネタの中身を先読みすればするほどリスク回避で筆が鈍りました。

 

私のことを言うと最初の特許事務所では大学で研究した分野に近い分野の発明について弁理士補助業務(注記:弁理士資格を持っていなかったため)で携わることができました。そういった意味では大学時代の専門分野が生かされた訳ですが、お客様が事務所に依頼される発明内容はピンポイントに大学時代の専門分野に該当する場合は少なく、むしろ稀で、大多数は自分が知らない技術分野を必死に調べて理解しつつ業務を遂行するのが普通でした。

特許事務所で業務を続けることで自分の中の知識量は増え、担当する技術分野も広がりましたが、その後に弁理士になっても、出願前の打ち合わせで大学の教授から最先端の技術のご説明を受けることもあり、理解が「難しい」と思うこともありました。

ただ、弁理士は技術分野について大学の教授と同じ知識を持つことまでは求められないのではないかと思います。私たちは学術の分野で新しいものを見つけることが業務ではなく、その新しいものを権利化し、ビジネス化する手助けとなるところに弁理士の意義があるのではないでしょうか。

そういった意味では、知財業界における専門分野というのは、特許弁理士に関して自分が担当できる技術分野とか、得意としている技術分野ということとは少し違うのだろうと思います。自らが持つ技術分野の知識と、弁理士としての知識とを合わせて、ビジネス化のための価値あるもの、価値のあることをお客様に提供できるところが、専門分野だと言えるのではないでしょうか。

と、いうことで、「顧客に自分の価値を提供できるもの、提供できるところを専門分野だとすればいい」。これで話はまとまりましたでしょうか。

おしまい

 

 

 

 

生成AIと知財業界

本日7月1日は弁理士の日です。
弁理士の日を盛り上げるために、「弁理士の日記念ブログ企画2025」と銘打って、共通テーマで記事を書くというイベントが、例年どおりドクガクさんの「独学の弁理士講座」のブログで企画されています。そこで、私もこの企画に参加します。

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振り返ると前回にブログを書いたのが2年前で、ずいぶんご無沙汰しております。
まあオリンピックの開催よりは頻度が高いので良しとしましょう(比べる対象がそれ?笑)

 

初めに

さて、お題に戻って。
タイトル通り今年のテーマは「生成AIと知財業界」。
このテーマは、自分にとって、なかなか書くのが難しいテーマですね。
その理由は、知財業界にいる自分が、生成AIを仕事としてあまり活用していないからです。テーマを自分のことに落とし込んで書くのが難しい。
でも、活用して無いなりに書くのもテーマに対する回答の一つかなと思います。

 

日本弁理士会のアナウンス

まずは、おさらい的に日本弁理士会が公表している「弁理士業務AI利活用ガイドライン」及び「AI等を用いた業務支援サービスの提供と弁理士法第75条との関係について」を見ていきましょう。これらはいずれも、今年(2025年)の4月に公表されています。現状における「生成AIと知財業界」の話は、これらのガイドライン等の適否はともかく、考慮されるものと私は考えています。

https://www.jpaa.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/04/AIservices-guideline.pdf

  • 「AI等を用いた業務支援サービスの提供と弁理士法第75条との関係について」

https://www.jpaa.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/04/AIservices-article75.pdf

一つ目の「弁理士業務AI利活用ガイドライン」で私が注目するのは、第4章第2節の「情報の取り扱いについて」で、(1)秘密情報と守秘義務、(2)新規性喪失防止、(3)個人情報の取り扱い、について言及されている点です。現状において、日本弁理士会がプロンプト入力時の留意点として、守秘義務及び新規性喪失について言及したことは、私が生成AIを仕事に使うにあたって懸念していた事項と合致していることが理由で、妥当と考えています。
二つ目の「AI等を用いた業務支援サービスの提供と弁理士法第75条との関係について」は、弁理士以外の者が生成AIを使って業として弁理士業務をすることが法第75条に違反ということです。

 

私が使っている生成AI

次に、私が使っている、又は使おうとしている生成AIは、次のとおりです。
・ChatGPT (有料版PLUS)、4o
・Grok (無料版)
・Copilot(Microsoft 365)
・Perplexity (有料版)
・notebookLM (無料版)

ChatGPTは、私がメインで使っている生成AIです。PLUSの有料会員です。事務所でChatGPTのアカウントを支給されていないので個人のアカウントです。個人のアカウントで業務に使うことについての是非はあるかも知れませんが、ここでは議論しません。
o3ではなくて4oなのは、私がまだChatGPTのビギナーなので、より一般的な4oから慣れていこうという考えからです。
ChatGPTでは、主に自分のお悩み相談とか(部屋が片付きません!とか、仕事の取っ掛かりが遅いですとか)、減量メニューの作成(あと3kg痩せたい)とか、日常的に質問しています。


Grokは、仕事には使っていません。Grokは、Grokが学習している内容を超えた質問の場合に、X(旧名twitter)を検索して回答してくれるので、現在のトレンドや流行り物について知りたいときに使っています。

Copilotは、Microsoft 365をインストールしているので、Excelでこうしたい、という時の関数を聞いたりしています。

Perplexityは、今は使っていないけど、ソフトバンクの回線を使っていたら有料版を一年間限定で無料で使えるのでアカウントを作りました。

notebookLMは、今は使っていないけど、Xのフォロワーさんが高評価しているのを見て、自分も使えればいいなと思っています。特許・実用新案審査基準のファイルを入れて、拒絶理由の引例のファイルを入れたら、拒絶対応が楽にならないかと夢想しています。

 

私の業務と生成AIとの関係

次に、私の業務と生成AIとの関係です。前にも書いたように、私は生成AIを仕事であまり活用していません。それは、生成AIを活用した新規案件の明細書作成について、現時点においては、守秘義務及び新規性喪失を懸念しているからです。自分の性格が、アーリーアダプターというよりは、レイトマジョリティなので、皆が仕事でChatGPTを使うようになってから、自分も使うようになればいいと思っています。
それでも、今の時点でChatGPTを仕事以外で使っているのは、昨年に日本弁理士協同組合が開催したChatGPTのセミナーにおいて、講師の湯浅先生が、「(昨年の時点で)日本弁理士会で生成AIについて取りまとめをしているけれど、将来的に生成AIを業務で使うようになると予想されるので、その時のために、今からChatGPTに慣れておくことは良いことだ」という内容をお話しされて(注記:私の聞き取り及び記憶なので、湯浅先生の実際のお話と相違している可能性があります。)、とても勇気付けられたからです。

 

新規案件の明細書作成であっても、例えば新しい分野の案件を受任したときに、その新しい分野の背景技術を知るのに、その取っ掛かりとして生成AIは使えると思います。
また、技術範囲の明解化や周縁の補完のために明細書で技術のバリエーションをを記載するときに、そのバリエーションを考えてもらうのに生成AIは使えると思います。

 

中間対応に生成AIを私は使っていません。拒絶理由通知書と引例とを生成AIに読み込ませて対応案を生成AIに考えさせることは効率的なのでしょうけれど、どうも馴染めなくて。

何というか、自分の心理として、自分の推論のほうが生成AIよりも優れているはずだと、思い込みたいのでしょうね。その思い込みが崩れるのが怖いというか。
まあ、生成AIを拒否するのも何なので、中間対応にも生成AIをぼちぼちと使ってみようと思います。

 

翻訳を生成AIにやらせるのは便利です。画像を読み込ませて、「この画像の単語、文章を日本語に翻訳して。」なんてこともしています。ただし、長文の場合には生成AIではなくて、DeepL(有料版)を使っています。生成AIの場合には、長文の翻訳時に端折ったことを過去に経験したので、いまいち私の中で信頼していないところがあります。DeepLも端折ることありますけどね。それはそれで。

外国出願用の明細書の翻訳は翻訳会社にお願いしているので生成AIではありません。

翻訳と言いますか、私は英語が弱いので、現地代理人宛てのレターを書いたら、そのレターの案文を生成AIに読み込ませて、「次の英文を失礼でなく、かつ丁寧なビジネスレターにしてください。」なんて命令しています。こういう校正は生成AIが便利ですね。

 

最後に

と、このように、私にとって生成AIは、業務としてはまだまだ使えてない状態です。今後ぼちぼちと使っていこうと思います。
Microsoftの生成AIのネーミング「Copilot」が良い名前だなと私は思っていて、生成AIは弁理士の良きパートナーとして業務の遂行を助けてくれる仲間と思っています。

 

 

 

 

知財がテーマのコンテンツ

本日7月1日は弁理士の日です。 弁理士の日を盛り上げるために、「弁理士の日記念ブログ企画2023」と銘打って、共通テーマで記事を書くというイベントが、例年どおりドクガクさんの「独学の弁理士講座」のブログで企画されています。そこで、私もこの企画に参加します。

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今年のお題は「知財がテーマのコンテンツ」。

切手があります。

工業所有権制度100周年記念切手

工業所有権制度100周年記念切手。昭和60年の切手です。

平成生まれの弁理士さんが生まれる前に発行されてますね。つくば科学万博があった年といえば、あの年かと思い出す人もいるでしょう。

切手の紙面には初代特許庁長官の高橋是清翁の胸像画と、patent、utility、trademark、designの文字が付されています。

今は総称で産業財産権法といいますが、昔は工業所有権法と言ったり、無体財産法と言ったりしてたんですよ。青本に名残りがあります。

私はこの切手を1シート買ったのですが、適当に郵便に使ったので残り2枚になってしました。

 

弁理士制度100周年記念切手

知財の担い手、弁理士制度100周年記念切手。平成11年の切手です。

平成11年(1999年)は、ほぼ世紀末だったり、知財では関連意匠制度が施行されたり、マドプロ関連改正法案が可決されたり(翌年施行)した年ですね。

切手の紙面には何かのからくり細工が記載されています。当時から弁理士だった人は何のからくり細工かは知っているでしょう。

(追記:日本郵便のサイトによると、「デザインは、特許代理業者登録規則が施行された明治32年7月1日に、特許となった「人動車」の解説図が描かれています。」とのこと。)

私はこの頃には特許事務所で働いてました。

 

国際工業所有権保護協会 東京総会記念

私は保有していませんが、国際工業所有権保護協会 東京総会記念切手があります(1966年)。

国際工業所有権保護協会 って、今は国際知的財産保護協会になってますけど、AIPPIといえば分かりますかね?

それでも分からないならボーデンハウゼンの「注解パリ条約」を発行しているのが日本国際知的財産保護協会(AIPPI・JAPAN)といえばピンと来るでしょうか。

切手の図柄は、ヤフオクで見ていただけたらと思います。私も今回のブログネタの資料として事前にヤフオクで落札しようとも考えたのですが、止めました。

私がこの頃に生まれていたかどうかは、ノーコメントです。

 

まとめ

今は特許庁に手続きするのもオンラインになり、特許庁が閉庁後の深夜に東京中央郵便局まで出願や中間の書類を入れた封筒を持ち込むこともなくなりました(発信主義で日付を確定させるため、本日期限の書類は夜中も開いている中央郵便局まで事務担当者が持って行ったのです。)。

お客様に送る書類もクロネコヤマトを使っているので切手を使う機会も減りました。

私は切手コレクターではありませんが、たまに使う封書に記念切手を使うのもよいですよ。

 

リモートワークのシンクライアントで親指シフト入力する(お題:コロナ禍収束後の知財業界)

※リモートワークやテレワーク時のシンクライアント親指シフト入力をする方法は、この投稿の中盤以降に記載しています。

 

本日7月1日は弁理士の日です。 弁理士の日を盛り上げるために、「弁理士の日記念ブログ企画2020」と銘打って、共通テーマで記事を書くというイベントが例年どおり「独学の弁理士講座」のブログで企画されましたので参加します。

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このブログもドクガクさんの企画に合わせて年に一回の更新になっておりますが、まあ生存表明ですね。こんな機会でもなければ更新しなくなっておりますので、お誘いがあったことに感謝致します。
さて、今年のテーマは、タイトルにあります「コロナ禍収束後の知財業界」。 私は事務所勤務の自分の立場から、能力給の給与体系への移行の予測と、リモートワーク比率の増加について書きます。

能力給の給与体系への移行

知財業界を展望すると、コロナ禍が収束したとしても、世界的に経済活動が一時的に低下した影響を受けて、受任件数が低下するのは間違いがないところです。 知財業界は、製造業の景気に左右される業界ですからね。

受任件数が低下すると売上げが下がる。

→売上げが下がると事務所の経営が悪化する。

→事務所の経営が悪化すると給与が下がるか、給与のうち能力給の割合が高くなる。

となって、今後はコロナ禍をきっかけに、能力給の給与体系に次第になっていくだろうと予測しています。事務所の利益が減る時に、仕事ができる人に多めに配分するのは合理的だからです。

すでに能力給の事務所も多いでしょうけれど、比率が高まるだろうという予測です。


過去に景気が悪かったのは2008年のリーマンショックの時でした。その時に給与の一時的な抑制の経験をしています。
個人的には現時点で明細書作成の依頼が来ておりますので、ありがたいことだと思うとともに、常日頃の信頼関係が大事と再認識しています。 明細書の質、量はもちろん大事ですし、そればかりでなく、相手(クライアント担当者)とのコミニュケーションを大事にすることが、信頼関係に繋がると思っています。

リモートワーク比率の増加

はじめに注釈ですが、世間ではリモートワークやテレワークと言われており、両者には定義上の相違があるのかもしれませんが、ここでは広く在宅で業務を行うことをリモートワークと書きます。

私が勤務している事務所でもコロナ禍よりも前から、リモートワークについて検討されていましたが、実際にリモートワークが実施されたのはコロナ感染予防のために出勤者の比率を下げることが強く要請されてからでした。

私は明細書を書いてなんぼの、旧来と同じ仕事をしていますので、事務所だろうが在宅だろうが明細書を書ければ場所はどちらでも構わないという立場です。ただ今後は、事務所での仕事、在宅での仕事の、それぞれのメリット、デメリットを理解しつつ、コロナ対策でリモートワーク比率はある程度まで増加していくだろうと予測しています。


ZoomもSkypeもWebEXも使うようになりました。

比較的に大企業のお客様は、音声のみで会議するのを好まれる方がいらっしゃいますが、私は相手を見ながら会議するのが好きです。 明細書作成のための長距離会議では、視覚情報も重要と思っているからです。サンプルをカメラ越しに見る場合は勿論のこと、相手の表情を含めた会話が会議の記憶に役立つと思っているからです。

それと、ビデオ会議で気づいたのですが、私はビデオ会議中に、かなりゼスチャーをしています。うなずいたり、首を傾げたり、手を広げたり振ったりしています。相手がどう思っているかは分かりませんが、ゼスチャーもコミュニケーションの一つと思っているので、相手を見ながら会議するのが好きです。


リモートワーク時代の親指シフト入力

ここからは弁理士とは直接関係がありませんので、親指シフトに興味がない方は以後を読まなくても結構です。

リモートワークでシンクライアント(端末)が事務所から貸与され、自宅からシンクライアントを用いてVPN越しに事務所の自分用のパソコンにログインして、リモートデスクトップによりシンクライアントで事務所の自分用のパソコンを操作して業務を遂行するようになりました。

ここで親指シフトユーザーで問題になるのは、シンクライアントを使ってリモートで事務所の自分用のパソコンで親指シフト入力できるか」ということです。

Windows10での親指シフト入力は、富士通のJapanist10の快速親指シフトや、フリーソフトのやまぶきRやDvorakJ等の、ソフトウェアエミュレータを使っていました。 しかしながら、事務所から貸与されたシンクライアントは、ソフトウェアエミュレータをインストールするのが禁止されるのが原則でしょう。許可を得ずに黙ってインストールしてバレた場合は自分の評価が下がることもあり得ます。

つまり、リモートワークでは、シンクライアントにソフトウェアエミュレータをインストールしないで、リモート先のパソコンで親指シフト入力できることが求められているのです。

その解決手段は二つあり、これからご説明します。(何か書きっぷりが明細書っぽくなってきた……。)

一つはFMV-KB211キーボードを使う方法、もう一つは「かえうち」を使う方法です。

FMV-KB211を使う方法

FMV-KB211は、Windows95の頃に販売された富士通のパソコン用の親指シフトキーボードです。ワープロ専用機のOASYSキーボードよりもWindows準拠のキーボードです。

FMV-KB211の特徴は、現在も新品が販売されているUSB親指シフトキーボードのFMV-KB232のようにJapanist10の快速親指シフトでソフトウェア的に親指シフトを実現しているのではなく、FMV-KB211それ自体が、ハードウェア的に親指シフトの配列の信号をパソコンに送り出す点です。

したがって、ドライバーもソフトウェアエミュレータも不要で親指シフト入力が可能です(かな-英字のモードずれは生じます。)。そのためFMV-KB211をシンクライアントに接続できれば、シンクライアント親指シフト入力が可能です。

問題はFMV-KB211の販売が終了しており、現在は中古でしか入手できず、ヤフオクやメルカリや中古ショップを探すしかないことです。

また、FMV-KB211はPS/2キーボードですので、シンクライアントに接続するためには、USB-PS/2変換ケーブルが必要になることも問題になります。

このUSB-PS/2変換ケーブルが曲者で、製品によって親指シフト入力をそのまま通すケーブルもあり、通さないケーブルもあるのです。 親指シフト入力に実績があるのは、ルートアールのUSB to PS/2 変換ケーブルRC-U2MKです。

私はこのFMV-KB211とRC-U2MKの組み合わせでシンクライアント親指シフト入力をしています。モードずれなんて、親指シフト入力できるメリットに比べたら些事です。

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 画像は、自宅の仕事部屋です。仕事机の上に、シンクライアント用のFMV-KB211と、自宅パソコン用の親指シフトキーボードRboard Pro for PCとを、手前側と奥側とに並べて配列しています。

手前側がシンクライアント用のFMV-KB211です。シンクライアントは画像左側の見えない位置に置いてあります。モニタは画像に見えている23インチのフルHDモニタ一台です。シンクライアントとはモニタとHDMIで接続され、自宅パソコンとはDVIで接続され、モニタ付属のリモコンでシンクライアントからの映像信号入力と自宅パソコンからの映像信号入力を切り替えています。マルチモニタは机のスペースからみて厳しいです。

かえうちを使う方法

「かえうち」は、パソコンとUSBキーボードとの間に介在させて使用する、キーボード配列を変換するアダプターです。
かえうちは、クラウドファンディングにより製品化され、今は小型化された、かえうち2が販売されています。

kaeuchi.jp

Windowsだけでなくアップルの製品やスマートフォンでも配列を変換して入力可能です。親指シフトだけでなく種々の入力法にカスタマイズ可能です。
かえうちは、要するに、やまぶきRのようなソフトウェアエミュレータをハードウェアで実現したものです。だからドライバーやソフトウェアエミュレータが不要で、USBキーボードを、かえうちを介してシンクライアントに接続することで、シンクライアント親指シフト入力が可能です。

実は私は、かえうちを購入しています。将来のキーボードの故障の保険としてかえうちを持っています。

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かえうち以外にも、OyaConvなどハードウェア変換USBアダプタはあるのですが、私が購入しておらず、使用感を書けないのでリンクを紹介するに留めます。

oyaconv.jp

それでは、末永く親指シフト入力を楽しみましょう。

知財業界での初体験

本日7月1日は弁理士の日です。
弁理士の日を盛り上げるために、「弁理士の日記念ブログ企画2019」と銘打って、共通テーマで記事を書くというイベントが例年どおり「独学の弁理士講座」のブログで企画されましたので、遅ればせながら参加します。
https://benrishikoza.com/blog/benrishinohi2019/

 

今年のお題は「知財業界での初体験」。
私は明細書を書くことについての思い出を書きましょう。
初めにお断りですけど、おじさんが、昔話をするのは嫌がられると知っています。
けれど、私が知財業界に入ったのは、随分と昔のことですので、初体験はあまり覚えていないし、初体験を書くことは昔話をすることとほぼ同じことになってしまいますのでご容赦を。

 

私は、実務経験ゼロ、法律知識ほとんどゼロ、技術知識は大卒レベルで特許事務所に入りました。明細書作成技術については、一人の指導者に教わりました。
その指導者はグループのボスで、所内で売上げが一番でした(以下、私の指導者を「ボス」と言います。)。
周囲の人から、「ボスは、めちゃくちゃ厳しい。」とか「仕事で怒ると怖い。」と言われ、先に指導を受けた先輩からも「夢の中でボスから怒鳴られて、はっと目を覚ますことが度々あった。」と、お酒を飲みながら聞きました。
実際には、親子ほどの年齢の差があった私には、ボスは優しく指導してくれました。

 

それでも、仕事に厳しいことは垣間見られ、例えば私に対する指導要領として、新件の特許請求の範囲ができあがったら、その時点で一度チェックを受け、そのチェックをクリアしたら、発明の詳細な説明を作成して再度チェックを受けるという流れだったのですが、

明細書
1.発明の名称 A装置
2..特許請求の範囲
 1. Bの周囲にCを設け、該Bと該CとがDの関係にあることを特徴とするA装置。
 2. 前記Bが、Eである特許請求の範囲第1項記載のA装置。

などと書いて、ボスに見せに行ったら、発明の名称がダメだという理由で特許請求の範囲を見ずに突き返されたことがあったりしました。
理由は、特許法施行規則の様式中に、「発明の名称は、発明の内容を簡明に表示するものでなければならない。」とあるところ、私が書いた発明の名称は、簡明ではないからでした。発明の名称でダメ出しされて突き返された人は、所内でも私より前はいなかったんじゃないかと思います。

 

思い出すに、ボスの指導は、「基本を大事にすること」がベースでした。
習いたての頃のある日、唐突に「特許法で一番大事な条文は何条だ?」と問われ「29条です。」と答えたら、「1条だよ。法目的だろ。明細書を書く時も法目的を忘れてはいかん。」と言われました。

また、かな書きは、公用文のルールに忠実であることを求められました。例えば公用文では接続詞は原則ひらがな書きで、例外的に「及び」、「並びに」、「又は」、「若しくは」の四語は原則漢字書きですので、「接続詞はひらがな書きのほうが読みやすい」のような感覚的な理由で「および」、「または」と書くのは厳しく諫められました。

同様に、公用文における漢字使用は、常用漢字表によるものとされているが故に、明細書で常用漢字以外の漢字を書くことは原則禁止されました。例えば「浸漬」と書くのがダメで、「浸せき」と書くよう指導されました。まあ、発明者の確認により「浸漬」に戻すように修正されることも結構ありましたけれど。その場合は発明者に従うのがボスの方針でした。

 

とにかく、何らかの公式なベースや基準があって、それに従って書くよう指導を受けました。
ボスの指導は、血肉になって今でも私の明細書作成のベースになっています。時代に合った書き方というのはありますので、今風にはなっていますけれど。
残念ながら不肖の弟子で、まだまだボスの域には至らないなと、思っています。

知財業界でホットなもの

7月1日は弁理士の日です。
ドクガクさんが弁理士の日を盛り上げるために、お題を提供されました。
http://benrishikoza.blog24.fc2.com/blog-entry-2555.html


今年の共通テーマは「知財業界でホットなもの」。
・・・ホットなものねえ。そんなもん、有斐閣平成27年重要判例解説からネタを挙げれば一発じゃん、と思った。

だけれども、他の方のエントリーを見れば、つい最近のお話ばかり、、。
うーむ。
でもね、一応、はてなダイアラーを自任していても、年に一度しか更新していない私にとっては、一年以内の話題はホットなんですよ!!!
だから、自分の考えるホットな話題で行きます。

プロダクト・バイ・プロセス・クレーム(最高裁

最高裁判決により実務上で影響がありました。
要するにプロダクト・バイ・プロセス・クレームは原則として明確性要件違反(特許法第36条第6項第2号)の拒絶理由だということです。
・平成24年(受)第1204号 特許権侵害差止請求事件 平成27年6月5日 第二小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/145/085145_hanrei.pdf
・平成24年(受)第2658号 特許権侵害差止請求事件 平成27年6月5日 第二小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/144/085144_hanrei.pdf
よくよく調べると、昨年の6月の判決なので、一年以上前の判例なのですね。
が、しかし、判決の結果を受けて、特許庁「プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関する当面の審査・審判の取扱い等について」の判断を示したのが昨年の7月6日だから、私の中では一年以内でセーフです。
うちの事務所は、化学系も結構やっています。
進歩性の拒絶理由通知を解消するために特許請求の範囲の補正をして、これで特許査定だと思っていたら、判決後に、その後の審査でプロダクト・バイ・プロセス・クレームについて明確性要件違反だと、あらためて拒絶理由が通知されるんですもん。
そりゃあ実務に影響が出ますよ。
手続補正書や意見書の書き方を検討したり、出願時のクレームの立て方、今後の出願で明細書に盛り込む記載について検討したりしました。

均等論(マキサカルシトール事件)(知財高裁)

・平成27年(ネ)第10014号 特許権侵害行為差止請求控訴事件 平成28年3月25日判決言渡
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/769/085769_hanrei.pdf
実はこの裁判例を私は知らんかったんですけど、PA会の研修に出席して、均等論といってもボールスプライン軸受事件だけでなく、検討が進められていることを認識し、ちゃんと勉強しなければと心を新たにしました。

フランク三浦事件(知財高裁)

平成27年(行ケ)第10219号 審決取消請求事件 平成28年4月12日判決言渡
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/835/085835_hanrei.pdf
これは相当ホットな話題だと思うのですけれど、4月の話題だから皆さん外しちゃいましたかね。
「フランク ミューラー」という高級腕時計のブランドの商標権者が、そのパロディ腕時計を、「フランク三浦」という登録商標で販売している商標権者に対して、「フランク三浦」の登録商標の無効審判を請求し、無効審決が出たために提起された審決取消訴訟です。
知財高裁は、審決取消に理由がある、言い換えれば「フランク三浦」には無効理由がないという判決でした。
著名商標の商標権者が、パロディ商品の称呼類似の商標登録を排除できない場合があるとも解釈でき、商標担当の弁理士には相当ホットな話題だったのではないでしょうか。
本件は上告されましたので、推移を見守りたいと思います。
私自身は、吉本興業の「面白い恋人」を批判的に見ていましたので、フランク三浦もどうだかなーと思っていました。

(マイブーム)

ついでにマイブームを書こうとしたけれど、眠くなったので今日はこの辺で。
お休みなさい。
最後にドクガクさん、誘っていただいたのに本エントリーが遅くて済みません。

知財業界のトリビア

本日7月1日は弁理士の日だそうです。
ドクガクさんが弁理士の日を盛り上げるために、お題を提供されました。
http://benrishikoza.blog24.fc2.com/blog-entry-2439.html

今年の共通テーマは「知財業界のトリビア」。
トリビアといっても、一般人が読んで「へぇ」と思うネタがいいのか、知財業界の人が読んで「へぇ」と思うネタがいいのか。
また、知財業界にいる期間がある程度長い私は、「昔はこうだったんだよ。」というような、懐古ネタを思い付いちゃいます。そんな懐古ネタでいいんだろうか。
そんなことを考えると、はてなダイアリーを二年ぶりに更新するというのに、筆がますます進みません。
なので、勢いで書いちゃいましょう。
他の方とのネタかぶり上等!で行きます。また、ネタが滑っても気にしない!
なお、本来なら根拠を一緒に示すのがよいのでしょうけれど、今回は省略します。
以下のトリビアネタは他人からの伝聞ネタを含みますが噂程度のものではなく、私が本当だと思っているものを書きます。もっとも、昔のこと等については記憶に頼っているため必ずしも正確でない場合はあり得ます。この場合はツッコミをいただければ幸いです。

実務編

商標法第8条第5号のくじは、ガラポンである。

と、書いてネット検索したら同じ内容についてntakeiさんのブログエントリーが見つかった。
うう、最初のネタからネタかぶりしてますが気にしない。

マーカッシュは人の名前である。

特許審査基準で注釈なしに記載されている「マーカッシュ形式」のマーカッシュは人の名前だそうです。マーカッシュさんが外国の裁判所でクレームの記載形式で争ってその形式が認められたためにマーカッシュ形式と言われるようになったとのこと。
鈴鹿サーキットでデグナーさんが転んだからデグナーカーブと言われるようになったようなものですかね(←分かりにくい例え話。)。

受験編

代々木塾は今は代々木にはない

私は代々木塾出身なので実に寂しいことなのですが、今の代々木塾は代々木駅が最寄り駅ではないのですよね。役務の提供者の名前と役務の提供の場所とが不一致になりました。
代々木の頃の代々木塾に関し、ビルに移転する前の二階建てアパートの頃を知っている人は、あまりいないのかも。

弁理士

日本弁理士クラブと弁理士クラブは別の団体である

「日本弁理士クラブ」は複数の会派の集合体であり、「弁理士クラブ」は会派の一つです。それぞれウェブサイトがありますので見れば違いが分かるでしょう。
日本弁理士クラブの略称は「にちべん」、弁理士クラブの略称は「べんく」です。

PA会のPAはパテントアトーニーが語源である

それそも会派とは何ぞやという疑問を持つ人はいるでしょうけれど、弁理士の有志の親睦団体という理解でいいと思います。母体が出身大学である会派で、その大学が出身でないと入れない会派もありますが、多くの会派は入会資格はオープンです。

弁理士の弁と弁護士の弁は、元々は漢字が違う

旧漢字では弁理士は「辨理士」、弁護士は「辯護士」と書きます。

弁理士制度百年の記念切手がある

その時はまだ私は合格していませんでした。所内の弁理士が買っていたのを羨ましく思いました。

弁理士のバッジは五三の桐紋だ

桐紋は日本政府の組織の紋章に使われているので個人的に好きです。
弁理士バッジを付けている人をあまり見かけませんね。比較的大きいしビロードの地布が付いているので気おくれするのでしょうか。

弁護士は弁理士試験を受けなくても弁理士になれる

これは一般の人向けのトリビアでしょうか。

弁理士行政書士試験を受けなくても行政書士になれる

これも一般の人向けのトリビアでしょうか。
行政書士になれるのと行政書士の実務ができるのとは別の話です。
なお、行政書士試験に合格していれば弁理士試験の論文式試験の選択科目が免除になります。

特許庁の審査官は7年の実務経験で弁理士になれる

審査官は公務員試験に合格するか、任期付き審査官に応募して合格すればなれます。

懐古編

媒体特許というのがあった

昔はコンピュータプログラム自体が特許法で保護されていなくて、方法の発明及び/又はプログラムを記録した媒体の発明を保護する運用が行われていました。

特許の無効の審判、延長登録無効の審判以外の無効審判があった

「外国語国際特許出願固有の理由に基づく特許の無効審判」というのがあった(旧184条の15)。まあ、特許無効審判の一種といえば、そうなんですけれど。現在の184条の18の規定に相当します。

特許出願の用紙がB5版、一頁に一行当たり22文字で20行だった

うちの事務所は所員が日本語ワープロで明細書を書いていました。ワープロを使えない人は手書きでした。この場合、和文タイプの人がワープロに入力していたのです。

「意見書に代わる手続補正書」や「手交」があった

特許法第36条違反の拒絶理由通知の場合には、意見書を提出しないで、補正書のみを「意見書に代わる手続補正書」として提出できる慣行がありました。手交は審査官面接等で拒絶理由通知書と手続補正書とをそれぞれ相手に手渡しする慣行でした。

中央郵便局まで出願書類を持って行っていた

電子出願以前は、うちの事務所は特許庁に出願書類等を持参して窓口に提出していました。特許庁は17時閉庁なので17時までに提出できなかった書類であって、本日中に手続きしなければならない書類は、特許法第19条に規定する郵便物の受領書をもらうために、深夜も開いている東京駅近くの中央郵便局に持って行ってました。

実用新案公報は部分公開だった

公報は実用新案登録請求の範囲及び図面が掲載され、考案の詳細な説明は掲載されていなかったので、読みたい場合は閲覧請求をしていた。

パトリスは従量課金だった

IPDLどころかインターネットが一般的でなかった頃です。今はJ-PlatPatで無料で調べられますもの。便利な時代になりました。

弁理士試験の多枝選択式試験にゼロ解があった

五択問題なのに、五つの枝のいずれも正答でない問題があったのです。

論文式試験が平日にあった

有給休暇を取れない人は弁理士試験を受けるのが大変だったろうと思います。

弁理士試験の受験資格に大学卒業があった

大学を卒業してない人は予備試験を受ける必要がありました。私は大学の卒業証明書の代わりに卒業証書を特許庁の受験窓口に持参していました。

論文式試験の会場にはエアコンが入ってなかった

関西の試験会場はエアコンがないために公平を確保するためという理由だったそうです。私はその頃は論文式試験にチャレンジできていませんでしたので伝聞です。初夏の暑い中の試験は大変だったそうです。

特許事務所の標準料金表があった

今みたいにお客様との取り決めではなくて、弁理士会が規定する標準料金表があったのです。

最後に

菅 直人 元内閣総理大臣弁理士である

やっばり一般人にとってのトリビアは、これでしょう。