リモートワークのシンクライアントで親指シフト入力する(お題:コロナ禍収束後の知財業界)

※リモートワークやテレワーク時のシンクライアント親指シフト入力をする方法は、この投稿の中盤以降に記載しています。

 

本日7月1日は弁理士の日です。 弁理士の日を盛り上げるために、「弁理士の日記念ブログ企画2020」と銘打って、共通テーマで記事を書くというイベントが例年どおり「独学の弁理士講座」のブログで企画されましたので参加します。

benrishikoza.com


このブログもドクガクさんの企画に合わせて年に一回の更新になっておりますが、まあ生存表明ですね。こんな機会でもなければ更新しなくなっておりますので、お誘いがあったことに感謝致します。
さて、今年のテーマは、タイトルにあります「コロナ禍収束後の知財業界」。 私は事務所勤務の自分の立場から、能力給の給与体系への移行の予測と、リモートワーク比率の増加について書きます。

能力給の給与体系への移行

知財業界を展望すると、コロナ禍が収束したとしても、世界的に経済活動が一時的に低下した影響を受けて、受任件数が低下するのは間違いがないところです。 知財業界は、製造業の景気に左右される業界ですからね。

受任件数が低下すると売上げが下がる。

→売上げが下がると事務所の経営が悪化する。

→事務所の経営が悪化すると給与が下がるか、給与のうち能力給の割合が高くなる。

となって、今後はコロナ禍をきっかけに、能力給の給与体系に次第になっていくだろうと予測しています。事務所の利益が減る時に、仕事ができる人に多めに配分するのは合理的だからです。

すでに能力給の事務所も多いでしょうけれど、比率が高まるだろうという予測です。


過去に景気が悪かったのは2008年のリーマンショックの時でした。その時に給与の一時的な抑制の経験をしています。
個人的には現時点で明細書作成の依頼が来ておりますので、ありがたいことだと思うとともに、常日頃の信頼関係が大事と再認識しています。 明細書の質、量はもちろん大事ですし、そればかりでなく、相手(クライアント担当者)とのコミニュケーションを大事にすることが、信頼関係に繋がると思っています。

リモートワーク比率の増加

はじめに注釈ですが、世間ではリモートワークやテレワークと言われており、両者には定義上の相違があるのかもしれませんが、ここでは広く在宅で業務を行うことをリモートワークと書きます。

私が勤務している事務所でもコロナ禍よりも前から、リモートワークについて検討されていましたが、実際にリモートワークが実施されたのはコロナ感染予防のために出勤者の比率を下げることが強く要請されてからでした。

私は明細書を書いてなんぼの、旧来と同じ仕事をしていますので、事務所だろうが在宅だろうが明細書を書ければ場所はどちらでも構わないという立場です。ただ今後は、事務所での仕事、在宅での仕事の、それぞれのメリット、デメリットを理解しつつ、コロナ対策でリモートワーク比率はある程度まで増加していくだろうと予測しています。


ZoomもSkypeもWebEXも使うようになりました。

比較的に大企業のお客様は、音声のみで会議するのを好まれる方がいらっしゃいますが、私は相手を見ながら会議するのが好きです。 明細書作成のための長距離会議では、視覚情報も重要と思っているからです。サンプルをカメラ越しに見る場合は勿論のこと、相手の表情を含めた会話が会議の記憶に役立つと思っているからです。

それと、ビデオ会議で気づいたのですが、私はビデオ会議中に、かなりゼスチャーをしています。うなずいたり、首を傾げたり、手を広げたり振ったりしています。相手がどう思っているかは分かりませんが、ゼスチャーもコミュニケーションの一つと思っているので、相手を見ながら会議するのが好きです。


リモートワーク時代の親指シフト入力

ここからは弁理士とは直接関係がありませんので、親指シフトに興味がない方は以後を読まなくても結構です。

リモートワークでシンクライアント(端末)が事務所から貸与され、自宅からシンクライアントを用いてVPN越しに事務所の自分用のパソコンにログインして、リモートデスクトップによりシンクライアントで事務所の自分用のパソコンを操作して業務を遂行するようになりました。

ここで親指シフトユーザーで問題になるのは、シンクライアントを使ってリモートで事務所の自分用のパソコンで親指シフト入力できるか」ということです。

Windows10での親指シフト入力は、富士通のJapanist10の快速親指シフトや、フリーソフトのやまぶきRやDvorakJ等の、ソフトウェアエミュレータを使っていました。 しかしながら、事務所から貸与されたシンクライアントは、ソフトウェアエミュレータをインストールするのが禁止されるのが原則でしょう。許可を得ずに黙ってインストールしてバレた場合は自分の評価が下がることもあり得ます。

つまり、リモートワークでは、シンクライアントにソフトウェアエミュレータをインストールしないで、リモート先のパソコンで親指シフト入力できることが求められているのです。

その解決手段は二つあり、これからご説明します。(何か書きっぷりが明細書っぽくなってきた……。)

一つはFMV-KB211キーボードを使う方法、もう一つは「かえうち」を使う方法です。

FMV-KB211を使う方法

FMV-KB211は、Windows95の頃に販売された富士通のパソコン用の親指シフトキーボードです。ワープロ専用機のOASYSキーボードよりもWindows準拠のキーボードです。

FMV-KB211の特徴は、現在も新品が販売されているUSB親指シフトキーボードのFMV-KB232のようにJapanist10の快速親指シフトでソフトウェア的に親指シフトを実現しているのではなく、FMV-KB211それ自体が、ハードウェア的に親指シフトの配列の信号をパソコンに送り出す点です。

したがって、ドライバーもソフトウェアエミュレータも不要で親指シフト入力が可能です(かな-英字のモードずれは生じます。)。そのためFMV-KB211をシンクライアントに接続できれば、シンクライアント親指シフト入力が可能です。

問題はFMV-KB211の販売が終了しており、現在は中古でしか入手できず、ヤフオクやメルカリや中古ショップを探すしかないことです。

また、FMV-KB211はPS/2キーボードですので、シンクライアントに接続するためには、USB-PS/2変換ケーブルが必要になることも問題になります。

このUSB-PS/2変換ケーブルが曲者で、製品によって親指シフト入力をそのまま通すケーブルもあり、通さないケーブルもあるのです。 親指シフト入力に実績があるのは、ルートアールのUSB to PS/2 変換ケーブルRC-U2MKです。

私はこのFMV-KB211とRC-U2MKの組み合わせでシンクライアント親指シフト入力をしています。モードずれなんて、親指シフト入力できるメリットに比べたら些事です。

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 画像は、自宅の仕事部屋です。仕事机の上に、シンクライアント用のFMV-KB211と、自宅パソコン用の親指シフトキーボードRboard Pro for PCとを、手前側と奥側とに並べて配列しています。

手前側がシンクライアント用のFMV-KB211です。シンクライアントは画像左側の見えない位置に置いてあります。モニタは画像に見えている23インチのフルHDモニタ一台です。シンクライアントとはモニタとHDMIで接続され、自宅パソコンとはDVIで接続され、モニタ付属のリモコンでシンクライアントからの映像信号入力と自宅パソコンからの映像信号入力を切り替えています。マルチモニタは机のスペースからみて厳しいです。

かえうちを使う方法

「かえうち」は、パソコンとUSBキーボードとの間に介在させて使用する、キーボード配列を変換するアダプターです。
かえうちは、クラウドファンディングにより製品化され、今は小型化された、かえうち2が販売されています。

kaeuchi.jp

Windowsだけでなくアップルの製品やスマートフォンでも配列を変換して入力可能です。親指シフトだけでなく種々の入力法にカスタマイズ可能です。
かえうちは、要するに、やまぶきRのようなソフトウェアエミュレータをハードウェアで実現したものです。だからドライバーやソフトウェアエミュレータが不要で、USBキーボードを、かえうちを介してシンクライアントに接続することで、シンクライアント親指シフト入力が可能です。

実は私は、かえうちを購入しています。将来のキーボードの故障の保険としてかえうちを持っています。

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かえうち以外にも、OyaConvなどハードウェア変換USBアダプタはあるのですが、私が購入しておらず、使用感を書けないのでリンクを紹介するに留めます。

oyaconv.jp

それでは、末永く親指シフト入力を楽しみましょう。