モヒカン族と、のまネコ問題

ひろゆき氏がコメントを出していることに関連して思ったこと。
http://www2.2ch.net/20051013.htm

のまネコ問題を、「モヒカン族」の視点で見れば、ひろゆき氏の上記意見に賛意を示している人は、「反モヒカン族」、つまり、「ムラ社会」の人ということなるのではないか。

はてなグループよりモヒカン族の定義に、こうある
http://mohican.g.hatena.ne.jp/keyword/%E3%83%A2%E3%83%92%E3%82%AB%E3%83%B3%E6%97%8F

1.技術原理主義者。規格至上主義者はその中の一部族である。

法律も規格の一つと考えられるので、法律至上主義で考えるのもモヒカン族といってよいのではないか。それなら、法律でのまネコ問題を考えてみよう。


モナーというアスキーアートは著作物です。ですから著作権法で保護される対象物です。
のまネコは、AVEXの主観からするとモナーとは別物ですけど、客観的にみればモナーの二次的著作物です。だから、モナーの作者の同意を得なければ、のまネコの複製等をすることができません。
しかし、モナーの作者は不明です。だから、AVEXは、モナー作者の同意をすることができない。そうなると、AVEXは、のまネコの複製等をすることができないということになる。
しかし、AVEXが、主観でモナーとは別物と考えて、のまネコの複製等をした場合に、AVEXが行った、のまネコの複製等の行為を差し止めることができるのは、モナー著作権者です。このモナー著作権者だから、誰も差し止めることができないということになる。
結局、AVEXが、のまネコをの複製等をするのは、著作権法では禁止できない。
商標法でも、不正競争防止法でも禁止できない。
法律上では、禁止できない。これが法律的なモヒカン族の帰結になる。


それでも許せないというのが、ムラ社会の人の考えだろう。
AVEXが、のまネコについて著作権を主張したり、商標登録出願をしたことを問題視している人もいるが、のまネコ著作権が発生しても、商標登録されても、他人のモナー等を使用することに対して、AVEXが権利行使することは法律的に考えられない。だから的外れな主張になる。
ひろゆき氏のコメントに賛同する人は、「ムラ社会」の人。まさに、2ちゃんねるという「ムラ社会」の人だろう。
はてなダイアリーのキーワードの「モヒカン族」に、ムラ社会の特徴が書いてある。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E2%A5%D2%A5%AB%A5%F3%C2%B2

・論理的に正しいかどうかよりも、周囲にいる仲間であるかどうかを優先して擁護する

→法律的に正しいかどうかよりも、2ちゃんねるに集まる人の意見を優先して擁護する

・個人の思考法の違いを抑圧することで均質化して連帯感を盲目的に持つ

ひろゆき氏のコメントに異を唱える書き込みに対しては、「煽りはスルー」、「釣りはスルー」、「工作員乙」で無視扱い。反AVEXで連帯感を盲目的に持つ。

・ただ単純に自分の周辺に存在しているというだけの無意味な条件だけで「仲間」と認識する

→ただ単純に2ちゃんねらというだけの無意味な条件だけで「仲間」と認識する。

・他人との関係を「嫌っている・好んでいる」という基準でしか判断しない

→他人との関係を親AVEX、反AVEXという基準でしか判断しない

他人から単なる事務的な指摘や事実確認をされたときでも「自分のことを挑発しているのか? 嫌っているのか?」と受け取ってしまう

→他人から、単なる法律的な指摘や事実確認をされたときでも「煽りか?」「釣りか?」と受け取ってしまう
これらに当てはまる人は、ムラ社会の人だろうなあ。

ひろゆき氏の考えを読み解く

2ちゃんねるの管理人のひろゆき氏とAVEXとの関係は、単にビジネス上での衝突でしかない。
2ちゃんねるで使われているAAで利益を得たいと考えるひろゆき氏と、モナーに似ているAAで利益を得ようとしたAVEXとのビジネス上の対立。
ひろゆき氏にとっては、ネット上の倫理とか、名誉とかじゃなくて、単に商売の問題だろう。
アスキーアートを商用利用する場合に、ひろゆき氏にお金が入る仕組みを構想しているのではないか。
のまタコの商用利用の意思の表示をしたことから、そう考えられる。
しかし、電車男の二次著作権料だけ書いて、電車男の本の印税(著作権料)の収入については一切書かないところが巧妙すぎる。
それとも、印税は中野独人氏が独占したのか?
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0510/13/news070.html

墨香オンラインのこと

ごめん、墨香オンラインが自主的にお金を払ったということを聞いて、私が最初に思いついた言葉は、「みかじめ料」だった。(18日追記: 「みかじめ料」という語が不適切という意見がありましたので、打ち消します。)
2ちゃんねらーが騒がないように、ひろゆき氏にお金を払った、と。
ひろゆき氏に仁義を通すというのは、「ごめん、使うから」という言葉を言うだけでは足りず、お金を払うということではないか。
つまり、この場合の仁義というのは、お金のことではないか。
このような行為が繰り返されると、アスキーアートを使うには、ひろゆき氏の許可が事実上必要になってくる。
つまり、AAを独占して利益を得ようとしているのは、AVEXではなくて、ひろゆき氏ではないか。

追記

著作権者が不明な場合は「著作権者不明等の場合の裁定制度」http://www.bunka.go.jp/1tyosaku/c-l/ に基づいて手続きをするというのが法律的なモヒカン族の帰結になると思います。

確かに、著作者不明のアスキーアートを使う側からすると、使えないと諦めるよりは、使えるための策を講じるのがモヒカン族ですね。

ありがとうございます。

私は、墨香オンラインの人がひろゆき氏に自主的にお金を払ったことの内容については具体的に知らなかった。
内容については、小倉氏のブログに引用されていた。
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2005/10/post_1275.html
孫引きになるけど。

ドワンゴCMの件などの事例を踏まえ、
キャラクターロイヤリティは幾らであるかの確認を行いました。
当然、そこにはAAの独占使用や意匠登録などを行わないという
弊社の方針は先んじて伝えてあります。
結論としては、2ちゃんねるサイドとしては著作権を所有しているものではなく
またそれによって利益を上げることが目的ではないので
一切の金銭は必要ないという返答を受けました。

これを読むと、ひろゆき氏は金銭の授受は必要ないと回答しているので、ひろゆき氏がAAで利益を得たいと考えているという私の推察は、考えすぎで間違っているようだ。