親指シフトキーボード Rboard Pro for PCをWindows Vistaで使う

  • Windows XP又はそれ以前のパソコンにRboard Proを接続して、キー配列変更プログラムで、「親指ひゅんQ向け」にキーボードのフラッシュROMを書き換える。
  • フラッシュROMを書き換え後のRboard ProをWindows Vista機に接続し、親指ひゅんQNICOLA配列にする。

これにより、Rboard Pro for PCをWindows Vistaで使っています(このエントリーは自作PC上のVista秀丸を使って書いています。もちろんRboard Pro使用です。)。


結論は上記のとおりなので、もう少し詳しい解説をします。
Rboard Pro for PCは、DOS/V機用の親指シフトキーボードです。
http://www.reudo.co.jp/rboard/rbpc.html
私は発売後すぐに秋葉原Laox ザ・コンピュータ館で定価の4万9800円で買いました。
シリアルナンバーは0063。二桁の番号です。
既に製造は中止されており、製造元であるリュウドのドライバーは、Windows XPまでの物しかなく、Vista用ドライバーの予定がない旨の回答がユーザーにありました。そして、このXP用のドライバーはVistaで使えないことがユーザーの報告で知られています。
そのため、親指シフトユーザーの中には、Rboard Proが使えないならWindows Vistaに移行しない、又はXPが使えなくなるときがRboard Proの寿命だと考える人がいらっしゃいます。
たとえば、
http://blog.goo.ne.jp/bongore789/e/30188b17528ba8085854a89b693df4a0


しかし、Rboard ProはフラッシュROMの書き換えで、ハードウェア的にキーボードの配列をユーザーが変更できるという特長があります。

残念なことにパソコンのほとんどの基本ソフトが親指シフト入力としての機能を標準としてもっておらず、なんとか工夫をして将来大幅なOSの変更があったとしても親指シフトが入力が不可能とならないよう、キーボード側のマイコンのソフト(ROM, ファーム)も書き換えられるようにしたのが、今回のフラッシュROM内蔵のキーボードです。
http://www.reudo.co.jp/rboard/rbpc.html

将来的なOSの変更に対応できるように、キーボードが作られているということです。
そして、予測が当たってしまい、Windows XPからVistaへの変更でドライバーが使えなくなってしまいました。まさにこの時がフラッシュROM書き換えが効能を発揮する時でしょう。
幸いなことに、106/109キーボード用の親指シフトエミュレーションプログラムである親指ひゅんQは、Windows Vistaで使えています。
そして、Rboad ProのフラッシュROMイメージには、親指ひゅんQ用が用意されています。
親指ひゅんQ用」という名前がついていますが、実際の意味は「Rboard Proを、左右の親指キーが付いた日本語106/109キーボードのキーボード配列にする」ということです。
ドライバーは使わないで、通常の日本語106/109キーボードと同様に親指ひゅんQで親指化するという配列ですね。
親指ひゅんQ用」を用意した開発者の先見の明に感嘆せざるを得ません。Windows Vista親指ひゅんQが対応しましたから。

Windows XP又はそれ以前のパソコンにRboard Proを接続して、キー配列変更プログラムで、「親指ひゅんQ向け」にキーボードのフラッシュROMを書き換える

Rboard Proを接続したWindows XP又はそれ以前のパソコンにおいて、RBOARDキー配列変更プログラムを起動します。
Windows XPなどで現在Rboard Proの使用中であれば、現在のフラッシュROMイメージを名前をつけて保存しておきましょう。保存していれば親指ひゅんQでの親指化に満足できない場合に、元のイメージに簡単に戻すことができますから。
次に、RBOARDキー配列変更プログラムでROMイメージとして「親指ひゅんQ向け」を選択します。

そして、必要に応じて、キー配列を自分好みにアレンジします。

私は右手の小指の付け根の手のひらが当たる右WinキーをRetキーに割り当てています。文字確定のとき右小指でRetキーを押さなくても、右Winキーを右手の小指の付け根で押すだけで確定するためです。
次に、この「親指ひゅんQ向け」(又は更にアレンジした)フラッシュROMイメージをキーボードに転送します。
この「親指ひゅんQ向け」のROMイメージも別名で保存しておきましょう。
なお、これらのRBOARDキー配列変更プログラムの操作は、マニュアルにも書いてあります。
転送したら、このRboard Proを接続したWindows XPなどのパソコンで、ドライバーのRboardアシストを終了させ、親指ひゅんQNICOLA配列にして、文字入力してみましょう。
Vistaでのキー入力操作がどのようになるかが、自分の手で分かることでしょう。
キー配列を更にカスタマイズしたくなったら、RBOARDキー配列変更プログラムによって、さらにキーボード配列をカスタマイズします。なお、私は使っていませんが、フリーソフトのキー配列変更ソフトも使えるのではないでしょうか。

フラッシュROMを書き換え後のRboard ProをWindows Vista機に接続し、親指ひゅんQNICOLA配列にする。

親指ひゅんQのヘルプに従い、NICOLA配列にします。


これでVista機で親指入力できています。
なお、私はもともと職場で普通の109キーボード親指ひゅんQNICOLA化して使用していますので、Rboard Proと親指ひゅんQとの組み合わせでも違和感がありませんでした。
富士通のKB-611のように、OASYS準拠のキーボードを使っている人だと、周辺のキーの配列に違和感があるかも知れません。それは適宜カスタマイズで対応されることとして。
高価だったRboard ProをVista機でも使えることには十分に意義があると考えています。

追記(7月28日)

ボンゴレさんからトラックバックをいただきました。
トラックバック先で、Rboard ProのRキーがvistaでも作動するかについて懸念を示されています。
http://blog.goo.ne.jp/bongore789/e/f0ff9669cf13b450514537243e36a621
私はRキーは使わないのですが、今試したところ、工場出荷時における設定では、R4キー(alt+RET; DOSのフルスクリーン/窓化)は使えませんでしたが、それ以外のRキーは使えました。
工場出荷時にR4キーへ割り当てられたalt+リターンが使えないのは、Vistaではコマンドプロンプトの全画面表示モードがサポートされていないためでしょう。OSの制限だと思われます。
R4キー以外のキーが動作したことから、Rキーをカスタマイズされている場合でも、OSが対応している限りVistaでも動作するものと予測されます(私はXPのパソコンを捨ててしまいましたので、Rキーをカスタマイズした場合の検証はできなくなっています。)。