特許法で存続期間が延長されることは、著作権の保護期間の延長の理由にならない

前回のエントリーに関し、inflorescenciaさんからトラックバックをいただきました。
http://d.hatena.ne.jp/inflorescencia/20070908/1189187260

特許法・意匠法の保護強化と著作権法の保護強化を同じくして考えて良いのでしょうか。確かにどれも知的財産権ですが、両者の間に違いがあることも確かです。

特許法や意匠法は、産業の発達に寄与することを目的とするのに対して、著作権法は、文化の発展に寄与することを目的としています。法目的が異なりますから、特許法や意匠法で保護が強化されるからといって、著作権法で保護を強化べき、とはならないでしょう。法目的に応じて、適切な保護のあり方をそれぞれ検討すべきと考えています。
まあ、特許法や意匠法は産業立法ですから、産業界の要請により、保護を強化するという傾向はあるでしょうね。この点、著作権は法目的上は文化の発展ですから、保護を強化すればよい、ということではないでしょう。


私が前回のエントリーで、「存続期間を延長する改正は、有り得るものだ」と書いたのは、意匠法の存続期間を延長する法改正などを踏まえ、権利の存続期間というのが絶対不変なものではなく、延長し得るものだ、ということを書いたものです。
私は、「特許法等は保護が強化される傾向にあり、保護期間も延長されているのだから、著作権の保護期間も延長して良い」という考えではありません。ですから、inflorescenciaさんが書かれているとおり、inflorescenciaさんが書かれた後半のお考えは、私の論説に対する批判ではありません。
この反論について私の考えを述べたいと思って書き始めたのですが、今は、まとまりません。
まとまった時には、あらためて書きたいと思います。