個人輸入の場合について

個人輸入でも『持ち込んだ人が国内で頒布しないという証拠がない』とCDを取り上げる可能性がある。わいせつ物のときに同様な最高裁判決が出ている」旨の発言について考えます。
上述した見解の相違点から、税関の取扱いの予想も相違する可能性があります。
小倉さんの解釈では、輸入される音楽CDは全て本条文の適用により著作権の侵害になる可能性があるから、税関では全て差し押さえるとの予想になるだろうと思います。
私の解釈では、音楽CDのジャケットに日本での頒布禁止が明示されているものだけが本条文により著作権の侵害になるので、税関では、明示されているものを選別し差し押さえるのではないかと考えます。(税関の差し押さえは詳しくないので自信なし。)
5月5日注記:「税関では……考えます。」を次のとおり訂正します。
「税関では、基本的には音楽CDを差し押さえすることはなく、音楽CDのジャケットに日本での頒布禁止の明示があり、かつ、頒布目的と思われるほど大量である場合に差し押さえることがあるのではないかと考えます。」(注記終わり)
そして、個人輸入の場合は、本条文上、「当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布する目的をもつて輸入する行為」に該当しないので、私は、取り上げられないと思うのですが、・・・わいせつ物からの類推適用ですか。
その最高裁判決は不勉強で知りませんが、刑法のわいせつ物頒布等の罪(第175条)の適用があるか否かの判断について、わいせつな物を沢山所持した被告が、販売の目的はなく個人で使うものだと強弁したけど、認められなかったというところでしょうか。
輸入量によるけど、個人で使用する常識的な範囲では音楽CDを取り上げられないのではないかと思います。素人考えですけど、わいせつ物は、そのまま良くない物ですが、音楽CDは、複数の要件を満たした場合に限って著作権等の侵害となり、そのままでは別に良くないものではありませんから。