TulipとDellの特許訴訟

ZDNetの記事である。Dellに有利な和解案で決着とされている。
http://www.zdnet.co.jp/news/0307/08/ne00_tulip.html
和解によりDellが支払う金額が、Tulipが当初期待していたロイヤリティと損害賠償の金額に比べればわずかなもの、ということから、Dellに有利な和解案だったとされているようである。
この和解案の具体的な内容について知るよしもないが、DellがTulipから特許のライセンスを受けたということは、一応、特許権を侵害していたということだろう。
Tulipが受け取る和解金のほとんどは、マザーボードを製造していた部品メーカーが負担するから、Dellの支払いは少ない。
しかし、それでもDellが支払ったという事実は、今後、小さくない意味を持っていると思う。

Dellは今回に限らず、今後も特許訴訟を受ける可能性があるように思うからである。
一般のパソコンメーカーでは、知財部があって、特許の価値について値踏みできる人材がいるだろうし、自主開発技術があれば、クロスライセンスによりお金を支払わずに済むケースもあると思う。
でも、Dellは、自主開発をしないことで、その分コストを下げて躍進してきた会社である。
特許訴訟を受けたら、部品を調達するメーカーさんに頼るしかないと思うし、また、クロスライセンスする特許を持たないから、侵害したらお金を払うしかないと思う。