もしも図書館が、はてなアイデアを採用したら

CNETの記事を読んだ後に、ふと思いついたこと。
http://blog.japan.cnet.com/kondo/archives/002309.html


もしも記事中にある図書館が、はてなアイデアを採用したと仮定して、かつ、はてなが想定しているような「予測市場」が機能している場合に、「エアコンの温度設定を28℃から少し下げて欲しい」というアイデアが出たとしたら、このアイデアは、図書館スタッフがアイデアを検討する基準となる(であろう)5000ポイントに達するだろうか。
予測市場」が機能していなかったら、賛同者は集まり、すぐに5000ポイントに達するだろう。しかし、「予測市場」が機能している場合には、5000ポイントに達しないだろうと私は考える。
なぜなら、はてなアイデアでは、自分が要望するアイデアではなく、図書館が採用するであろうアイデアを予測することが求めているからだ。
ここに、図書館がエアコンの設定温度を28℃にしているのは、何も利用者が暑がっているのを見て喜ぶマゾ気質のスタッフだからではなかろう。地球温暖化防止のための京都議定書を我が国が締結し、そしてその実行のために電力消費量を減らすべく、エアコンの温度を28℃とすることが政府の諸機関をはじめとして行われているのであって、公共的な場である図書館も、政府にならいエアコンの温度を28℃としているのであろう。そういう背景を考えれば、図書館がエアコンの温度を28℃にしているのも、理解できる意見だと考えられる。
そうすると、エアコンの温度を下げるというアイデアは、この図書館では実装しないだろうと容易に予測がつくのであって(館長が利用者の要求を拒否しているのを見れば、なおさら。)、だから「予測市場」が機能していれば、このアイデアは5000ポイントに達しないと私は考える。


私が、このことで考えてみたかったのは、はてなアイデアが、利用者からの意見を聞くシステムとして適しているかということ。
近藤さんがまっとうな意見だと考える、エアコンの温度を下げるというアイデアが、はてなアイデアを通した場合に実装され得るのか。実装されないとするなら、問題はアイデアの悪さにあるのか、はてなアイデアの仕組み又は運用にあるのか、図書館の硬直性にあるのか。


私自身は、「予測市場」というものの効能に懐疑的でして、それは、新しいものは疑ってかかる私の性格によるものだろうと自覚してます。そのうえで、私は、はてなアイデアが、想定された理想とする「予測市場」としては成立していないのでは、と思っています。



おまけ
前述した図書館が、仮に「エアコンの温度設定を28℃から少し下げて欲しい」というはてなアイデアを検討したならば、「他の方法」ということでアイデアポイントの払い戻しになったりして。
曰く、「図書館の利用は、はてなTシャツのようなクールビズでお願いします。」。
いや、近藤さんは、はてなTシャツで図書館に行ってるって、、、(たぶん)。