WinnyはCD売上を減らさないの続報

一月も前のitmediaの記事だけど。
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0503/29/news097.html
私が3月16日の日記で言及した記事についてのフォローアップの記事なので、私もフォローアップしよう。
WinnyはCD売上を減らさないと発表された慶応大学助教授のデータ分析法について、説明されている。
この記事を読んで考えたけど、先生のデータ処理は、やはり最初に結論ありきで、その結論を導くための分析というように思えてならない。
WinnyはCD売上を減らすのか減らさないかの判断が、解析結果の線分について、右下がりか右上がりかで決められている。
しかし、「人気のある曲は、人気のない曲よりもWinnyでダウンロードされる数も大きく、かつ、ダウンロードされる傾向も強い」ということを考えれば、解析結果の線分が右下がりにならず、右上がりになるのは当然でしょう。
だから、右下がりにならないことをもって、WinnyはCD売上を減らさないと結論するのは、早計に思う。


ここからは記事と離れて。
私見だが、Winnyは、筋が悪いソフトウエアだと思う。(P2Pソフトウエアについては、何も悪いとは思っていません。P2Pといわれるもののなかでも、良いものや悪いものなど種々にあって、Winnyは悪いほうでしょう。)
作者の逮捕について種々の意見があるけど、私は、筋が悪いソフトウエアを作った場合には、逮捕されることはあり得ることだと思う。
ソフトウエア作者が、いかなるソフトウエアを作っても逮捕されない、不逮捕特権を持っている訳ではないでしょう。
仮に47氏が有罪判決を受けたとしても、「悪いソフトウエアを作った場合には、逮捕されることはあり得る」ということであれば、判決の効果は限定的であり、通常のソフトウエア作者が、ソフトウエアを作ることについて、びくびくする必要は全くない。他の作者を萎縮させるものではない。
では、悪いソフトウエアとはどういうものなのか。常識で考えるところから、そんなに外れるものではなかろう。
警察や裁判所が決めるのはおかしいという意見もあるだろうけど、Winny事件が裁判になっている以上、裁判所は、ある基準をもって判断して、判決をする。だから、有罪になろうが無罪になろうが同じで、司法が判断基準を決めることになるだろう。