ソフトウェア特許について考える

http://namazu.org/~satoru/software-patent/
私も考えてます。このところずっと。
ソフトウェアは専門外だけど、補助員として特許事務所で出願のお手伝いをしたことのある者として。
ソフトウェアに特許を付与することが、本当に良くないことなのだろうかと。
CnetやZDnetの日本語サイトは見ているから、リチャード・ストールマン氏がソフトウェア特許に反対していることは知っている。
ローレンス・レッシグ氏については、「コモンズ」への下準備と思って先に「CODE」を買って読み始めたところ。
まだ、自分の答えを出せていない。


ソフトウェア特許にまつわる問題について、特許を付与することそのものが良くないのか、ライセンサーの態度が悪いのか、標準化における特許権者の態度が悪いのか、審査の稚拙さが悪いのかなど、もう少し細分化して考えても良いように思う。
GIF特許は、ライセンス料を無料にしていたのを、翻してライセンス料を徴収するようになったライセンサーの態度の問題ではなかろうか。
JPEG特許は、技術の標準化の際に自己の特許の存在を隠匿し、標準化された技術に特許権を主張する特許権者の態度の問題ではなかろうか。
Amazonの1-click特許は、新規性も進歩性もなく、したがって元来、特許されるべきものでなかった発明が特許された、審査の稚拙さの問題ではなかろうか。(ちなみに、Amazonの1-click特許は日本では拒絶になっています。)
(あと、サブマリン特許の問題は、米国特許法特有の問題ではなかろうか。)
そして、これらのライセンサーの態度、特許権者の態度、審査の稚拙さの問題は、ソフトウェアに特有の問題なのか。
自分には、まだ分からない。


思うに、新しい技術を開発したときに、「他人に真似っこされたくない。」と考えるか、「他人に真似してもらいたい。」と考えるかによって、ソフトウェア特許に対する見解が大きく異なるのだろう。
前者の考えが、従来からのソフトウェア開発、後者の考えが、オープンソース的開発と言えようか。
どちらが良い悪いは置いといて、両者が併存する現在、特許というのは、前者の考えに適合した制度だろう。
前者の考えに従ってソフトウェア開発を行っている企業などは、ソフトウェアの開発により特許が取得可能な現在の特許制度に賛意を示すのではなかろうか。