実用新案の権利保護期間10年に延長・特許庁方針

日本経済新聞9月13日朝刊の記事。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20030913AT1F1202112092003.html
法改正について検討を行う産業構造審議会の実用新案制度ワーキンググループの会議が、9月12日に行われたことを特許庁のサイトで知っていたが、この記事を読んで内容を知った次第。
このワーキンググループの会議で配付された資料は、次のリンク先。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/jituyou_paper02.htm
同じく議事録は、次のリンク先。
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/jituyou_giji02.htm
特許法と実用新案法とは、自然法則を利用した技術的思想の創作を保護する点で共通するが、実用新案法で保護される「考案」は、特許法で保護される「発明」よりも創作のレベルが低くても足りる点(実用新案法第3条第2項)や、制度の沿革的理由により保護対象が物品の形状等に係るものに限られる点(実用新案法第3条第1項柱書)などで、実用新案法は特許法とは異なる。
(したがって、プログラムは、物品の形状、構造又は組み合わせのいずれにも該当しないので、実用新案法では保護されません。)
また、特許出願は、審査官による審査を経て、特許すべきとの心証があったものだけ特許になるのに対して(特許法第51条等)、実用新案登録出願は、審査官による実体的な審査が行われずに登録される(実用新案法第14条第2項)。
現行の実用新案は、無審査登録主義であるがために、発生した権利の信頼性が特許権よりも低い。権利行使にも制約がある。玄人にも薦めできないといえよう。
だから年間の出願件数も減少しているのであり、このような実用新案登録制度をどう改革するのか、利用者の立場から審議してほしい。