はてブでコメントした件の追記として

yomoyomoさんのエントリーに、はてブでコメントしたら、そのエントリーに追記をいただきました。
http://d.hatena.ne.jp/yomoyomo/20070416/chosakuken


私が思うに、藤沢氏の遺族は、落語化の構想をテレビで語ること自体を抗議したのではなく、つまり、アイデアレベルのものに抗議をしたのとは違うと思います。

「あるテレビ番組の企画で、藤沢周平氏(故人)の作品を落語に採り入れるという構想を披露したところ、ご遺族から『そんな話、聞いてない』とクレームが来た。……」

著作権保護期間を延長することの弊害とは - CNET Japan

この記述から、藤沢氏の遺族は、藤沢氏の作品から派生した二次的著作物を使用して落語を上演することについて、聞いていないと言っているように私は読みました。
藤沢氏の遺族は、CNETの記事による三遊亭圓窓氏の発言のように、「単に構想を話しただけでも著作権侵害」と考えているのではなくて、将来的に可能性のある二次的著作物の利用についてクレームされたように思えます。
私は、公開トークには参加してませんし、三遊亭圓窓氏が披露したテレビ番組も見ていません。したがって、圓窓氏が、どのような考えで構想を披露されたかは分かりません。でも、藤沢氏の遺族からすれば、製作発表と理解することもあり得たのではないでしょうか。そう考えたので、儀礼のことかもと、はてブで書きました。
落語家がテレビに出て「自分が落語化するなら……」と語ることに儀礼も何もないと私も思います。藤沢氏の遺族には、圓窓氏が二次的著作物を上演することについて、どれくらいの意思を持っていたかが正確に伝わらなかったということでしょう。仮に、圓窓氏が落語を製作するつもりだったとすると、テレビから番組の関係者から間接的に聞いた藤沢氏の遺族とは、言葉の行き違いで残念な結果になったのだと思います。


三島氏の件は、このエントリーでは、著作権者である遺族の意向を過度に保護することの弊害の一例として三島氏を挙げられたと私が読みましたので、三島氏の遺族も、著作権の保護として映画の日本公開がされていないと読みました。そのため、はてブのようなコメントをしたのです。
yomoyomoさんが、三島氏の件は著作権だとは書かれてないのは、そのとおりです。書かれてないことに言及して気分を悪くされたのなら、済みませんでした。

追記(4月19日)

コメントでの津田さんのご紹介を受けて、公開トークのストリーミングを見ました。
圓窓氏が出演されたテレビ番組は、収録されたけど放送されていないこと収録された後、放送される前の話題であることを知りました。そのため、エントリー中の記載を、公開トークの内容に合うように修正しました。
ストリーミングを見た後であっても、藤澤氏の遺族が「聞いていない」と言ったのは、上演することについてだろうと思います。したがって、このエントリーの大意は変わっておりません。

さらに追記(4月22日)

コメントでsakuraさんより、圓窓氏が出演されたテレビ番組が放送されたことを教えていただきましたので、前回の追記部分の一部を修正します。

また追記(4月25日)

著作権保護期間延長問題を考えるフォーラムの、フォーラムの公開シンポジウムの頁において、
三遊亭圓窓氏の発言されたことについて、NHKの担当者からの事情説明がされています。
これを読むに、NHKの担当者を介した相互連絡の過程で齟齬が生じたように思えました。
藤澤氏の遺族がアレかは、これらの状況を総合的に勘案して判断されればいいと思います。