著作物に関する権利の「二階建て制度」についての予測

真紀奈氏が提案されている二階建て制度については、ベルヌ条約違反と考えているが、仮に、著作権法とは全く別の制度についての立法がされ、施行されたとするならば、著作権者は、新権利を次のように活用するだろう。

  1. 著作権が存続する間は、著作権を活用する。
  2. 著作権が存続期間が満了するぎりぎりの時点で新権利の登録申請をし、著作権の存続期間が満了する直前に、新権利の登録を受ける。

そうすれば、著作物は、著作権による保護期間中は著作権で保護され、著作権による保護が無くなろうとするときに、5年又はそれ以上の期間で新権利により保護される。
著作物の保護の実質的な延長になるが、真紀奈氏は、「別に上限は300年等でもかまわない。」と述べられているので、真紀奈氏の考えにも合致しているのではないか。


著作権者にとって新権利は、あまり魅力的に映らない。
非親告罪となったとしても、警察が権利侵害をばんばん取り締まるかというと、そうはならないと推測できる。
なぜなら、特許権は、平成10年の法改正により、親告罪から非親告罪に変わったが、平成11年以降に、特許権侵害で特許権侵害で摘発されたというニュースが増えたという実感がないから。
商標権のように絶対的な独占排他権なら、輸入時に取り締まりはできるだろうが、著作権は相対的な独占排他権だから、警察が権利者の意向を聞かずに摘発することは、よほどのことの場合に限られると推測される。