Wikiばな Vol.2 著作権

今週の月曜日の7日に行われてたイベントに行ってきました。
http://wikibana.socoda.net/wiki.cgi?Wiki%be%ae%cf%c3%2fVol%2e2
私はWikiの作者ではなく、利用者として、自分が持っている著作権の知識と擦り合わせができればとか、最近のネット上の話題に関する著作権の話が聞ければとかの気持ちで参加しました。
会場は新宿文化センターで、8時からだったので、その前にアキバのモバイル専科に行き、少し前に購入したザウルスSL-C3100用にUSBホストケーブルを買う。その後にワイシャツを買おうかと伊勢丹をぶらぶらしてから会場へ。前方に向かって右の列の前から三番目の席にする。お話中は、このZaurus C3100でメモを取った。最初は紙にメモしていたけど、ノートパソコンを開いてメモしていた人がいたので、対抗意識でザウルスを開いたのであった(笑)。


Wikiばなでの著作権のお話ということで、Wikiの使用に関してお話されるのは次のようなことかなと、予想していた。

  • 共同著作物(著作権法第2条第1項第12号)
  • 編集著作物(同第12条)
  • 職務著作(同第15条)
  • 同一性保持権(同第20条)
  • 複製権(同第21条)
  • 公衆送信権(同第23条)
  • 引用(同第32条

ちなみに、著作権法の条文は、電子政府のサイトで見ることができる。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.html


実際のSimonさんのお話では、インターネット上のコンテンツと著作権の概説的な話や、具体的な、Wikiでの違法な書き込みの削除処理と書き込みした人の同一性保持権との問題などの話があった。
共同著作物については、話があまりなかったなあ。共同して創作するという意思がないようなインターネットのコンテンツについての規定が、著作権では想定されていない、法の欠缺だという話だったと記憶している。しかし、Wikiのように複数人が編集を繰り返してできた著作物は、意思の有無にかかわらず、また、編集者を特定できるか否かにかかわらず、共同著作物と解釈されるのではなかろうか。
法の欠缺というか、インターネット上のコンテンツについても、著作権法上の規定の類推解釈などで運用していることになるだろう。そもそも、著作権法で、きちきちに規定したほうがいいのかということも考える必要があるし。


Wikiの改変と同一性保持権との関係については、wikiの管理者は書き込みした著作権者ではないので、勝手に改変したりはできないことになる。しかし、他人の著作権を侵害しているような書き込みを部分的に削除する行為は、その書き込み中の著作権侵害している部分が、書き込んだ人の著作物ではないと考えて、不法行為を止めさせるための行為として是認されるとは考えられないだろうか。
同一性保持権は人格権なので、人格的な利益と他人の利用とについて合目的的に考える必要があると思う。


後半の話では、著作権法の問題として、独占的な利用権の契約をしても、その契約は当事者間に留まり、著作権者が他人にも独占的な利用権の契約をできることの話があった。この話は、特許法の独占的通常実施権の問題と同じだなあと思った。
独占的といっても、法的には債権的な排他性のない権利についての契約なので、利用許諾は、複数人にできる。出版権(著作権法第80条)のような物権的な権利があればいいのだろうけど、出版権だと著作権者も設定範囲内では複製ができないし。


あとは、技術に詳しい弁護士の話が出たけど、技術に詳しい弁護士というのは、そう多くはないだろうなぁとは、私も思う。必要あれば技術に詳しい者として、弁理士の出番が著作権法の争訟でもあるだろうか。特許訴訟の場合は、弁護士と弁理士との両方が代理人になっているけど。とはいえ、弁理士といっても、それだけでインターネットに詳しいわけでもないし。


最後に、Wikiばなを企画されたスタッフの皆様、そして話をされたSimonさん、どうもありがとうございました。